http://www.concertlive.co.uk/product.php?id=88 |
イギリスに ConcertLive という会社があります。ライブ会場で録音した内容をその場で CD に焼いて即売する商売をしてるところです。この会社ができたのが、ちょうどギャング・オブ・フォー(Gang of Four)が再結成ツアーであちこちまわってる時期で、ここから出た Live at the Barbican というのをオラ買ったんですよ。ところこれがひどいのなんのって、音のバランスはメチャクチャ、ところどころ楽器の音がちょん切れてる、今どきブートレッグとしても通用しないぜというくらい悲惨なものでした。以来ここのライブ CD には手を出さないようにしてたんです。
ところが今回パブリック・イメージ・リミテッド(Public Image Ltd.)再始動ツアーの CD が ConcertLive で販売されると言うので、ちょっと迷ったんですが、あまり期待せず、お布施のつもりで購入しました。その CD ALiFE 2009 が昨日届いたんですが、予想に反してすごくいい音。ばっちり、これなら文句ない。
レコーディング/ミキシングのエンジニアとして Andrew Tulloch という人の名前が載っています。ライブレコーディングのエンジニアとして有名みたいで、自前の移動レコーディングスタジオも持ってる人です。やっぱこうやって機材と人を準備して臨むと、インスタント CD でもちゃんとしたものができるんだねえ。
オラは通販で買ったのだけど、会場ではコンサート終了直後すぐに販売と言う体制らしい。CD は4枚組で1枚目と2枚目はコンサートの本編、3枚目がアンコール、4枚目はおまけの写真とメッセージビデオ。コンサート会場で受け取る場合、3枚目のディスクは空で、後から Web でダウンロードするようになっているみたい。つまり4枚目だけ事前に準備、1枚目、2枚目はリアルタイムでレコーディング、ミックスした内容を、アンコールをやっている間に CD に焼いて、終了後、即販売してるのだろうね。すごいなあ、どうやって作業しているのか現場を見てみたい。会場脇の小屋の中でパートのおばちゃんたちが、一斉に焼き上がった CD をパッケージに入れてんのかな。
CD ショップがなくなっても、コンサート会場ではまだしばらくインスタント CD が売れそうだね。
今回の PiL のコンサートは全日程同じセットリストだったようだけど、このライブ・レコーディングを前提にしていたためじゃないかな。かなり綿密な打合せやレコーディング・リハーサルがおこなわれたはず。
今回は12月15日から23日まで、全部で7回のコンサートが開催されたのだけど、そのうち4回がレコーディングされ、CD 化されています。オラが買ったのは初日のバーミンガムでのやつ。欲を言えば、全体に無難なきれいな音で録音されているため、もうちょっと思い切ったミックスのやつが聴きたい。たぶん録音された音をメンバーが聴いて、色々意見を出したかもしれないから、後ろの日程だともうちょっと違った音になっているかもしれない。
それから PiL のメンバー、元々みんなうまいミュージシャンなんだけど、リハーサルかなり力を入れてやったんだと思う。演奏やアレンジ、完璧だもん。特にルー・エドモンズ(Lu Edmonds)。アルバム「ハッピー?(Happy?)」の頃はジョン・マッギーオ(John McGeoch)の影に隠れてる感じだったけど、今になって本領発揮。ルックスも昔は繊細な文学系ギタリストだったのが、今はエルム街の悪夢みたいになっちゃってて最高。もちろん連日の2時間を越えるコンサートで、声を枯らすことなく、圧倒的な声量で吠え続けたジョニーおじさんも。
(追記)宮田さんという人のブログにLeeds公演の様子が書かれています。