2012/06/29

ママは俺の髪をカールして口紅を塗り、傷跡を隠してくれた (Born This Way - アリス・クーパー)

Alice Cooper @ Credicard Hall
Alice Cooper @ Credicard Hall, a photo by Focka on Flickr.

今月開催されたボナルー・フェスティヴァル、インターネットで中継されたため観た方も多いことでしょう。私も観ました。目当ては最終日の大トリ、アリス・クーパーです。去年のツアーに参加していたギターのスティーヴ・ハンターが今年はいないのですが、その分オリアンティがバンドに馴染み、ゾンビ・メイクをして弾きまくってました。

アリスの場合、出し物が色々あるためか、通常シーズンを通じてセットリストはほぼ固定です。アンコールは Elected で、これで終わりだなって思っていたら、もう一曲やってくれました。インダストリアルなアレンジのイントロで、オリアンティのギターが入ったところで「ああ、よく知ってる曲だ」ってわかりました。よく知ってる曲なんだけど、あれ?これ、何だっけ?

俺が子どもの頃、ママが言ってた
「私たちはみんな、生まれながらのスーパースターなのよ」
ママは俺の髪をカールして口紅を塗り、傷跡を隠してくれた
「あなたはちっとも変じゃないのよ、坊や」
ママは言った
「神様はあなたを理想的な存在として作られたの」
「だからほら、頭を上げて、前へ進むのよ。」
「いい?ママの言うこと、よく聞くのよ」

俺には俺だけの美しさがある
だって神は間違ったものを作ったりしないからな
俺は間違っていない
こうなる運命の(もと)に生まれてきたんだ

自分を恥じることはない
自分を愛することから、始まるんだ
俺は間違っていない
こうなる運命の(もと)に生まれてきたんだ

俺の名前はアリスだって言ったら、親父は腰を抜かしてた
親父には、まるで理解できなかった
化粧をして、行儀悪くふるまったが、そんなのは序の口
変人になることは、罪なんかじゃない
あいつらには、どうすることもできない
俺たちのことなんか何もわからないんだから
いいか?俺の言うことを、聞き逃すんじゃないぞ

俺には俺だけの美しさがある
だって神は間違ったものを作ったりしないからな
俺は間違っていない
こうなる運命の(もと)に生まれてきたんだ

自分を恥じることはない
自分を愛することから、始まるんだ
俺は間違っていない
こうなる運命の(もと)に生まれてきたんだ

このアリス・クーパーの Born This Way に対するガガ様からのツィート。

@realAliceCooper 身に余る光栄でございます、殿。歌詞を自分用に変えて歌った部分もすばらしい。#フランケン・ガガとぜひ共演したい

「身に余る光栄です(I am not worthy)」ってのは、もちろんウェインズ・ワールドのネタ。さすがガガ様は礼儀というものをよく心得てらっしゃる。

2012/06/28

ハイム(Haim)、デビュー EP 「Forever」のアナログ盤は枚数限定

haim-the-band
haim-the-band, a photo by TreasureLA on Flickr.

最近 Haim をキーワードにこのブログへ飛んでくる人が結構います。さすがみなさんお目が高い、お耳が肥えてる。そう、今、大注目の三姉妹バンド、ハイム(Haim)は今年の SXSW 出演と、それに前後して発表されたデビュー EP「Forever」が話題になり、注目を集めてるバンドです。

これだけ話題になれば、すぐに大手レコード会社と契約してアルバムをリリースするのが従来のパターンだったんですが、ハイムはまだどことも契約してません。EP「Forever」は自主制作で CD 発売はなく、ネットで MP3 を無料配布してただけです。それでも NME の2012年上期ベスト・ソング20に選ばれるというところが、音楽業界の変化を感じさせます。

現時点で唯一の公式音源が「Forever」なんですが、数量限定のアナログ・レコードが7月2日に発売されることになりました。Rough TradeNational Anthem のサイトで予約受付中です。

一方 MP3 の無料配布は既に終了して、ダウンロード販売に切り替わっています。ところが売ってるのは iTunes Store UK だけなので、残念ながら日本からは購入できません。EP の内容はそのまま SoundCloud にもアップされているので、ダウンロードし損ねて、レコードプレイヤーを持ってない人はしばらくこれで我慢するしかありません。

(2012/07/16追記) 日本の iTunes Store でも購入できるようになりました。

現在ハイムはイギリスをミニ・ツアー中、BBC などのラジオにも出演してプロモーション活動を行なっています。スパークスやホワイト・ストライプスみたいに、本国アメリカよりイギリスで先に人気に火が付くパターンになりそうです。

Q: あたたたちは今年の SXSW で注目を浴び、その後ネットを中心に新人バンドとしては異例の評価を受けるようになったわけですが、こんなに早く認められるなんて予想していましたか?

いいえ、全然! SXSW ではただ興奮してプレイしただけ。最高だったわ!

Q: 人々があなたたちの音楽に惹かれる理由は何だと思いますか?

昔のレコードを聴いてみて。答はきっとそこにあるわ。

Q: デビュー EP の Forever を出したばかりですが、何かもう次の計画(フルアルバムなど)はあるんですか?

レコード用の曲はもう85%くらいできてるのよ。だからあとはスタジオへ入って録音するだけ。

Q: スタジオワークは苦手だって話を聞きましたけど?

わたしたちの頭の中ではたくさんの音楽が鳴ってるの。だからレコーディングでは、わたしたちが望む現実の音を見つけ出すのに苦労するのよ。だけどきっと、ちゃんとできるわよ。

Q: 曲はどんな風に作るんですか?

たいてい何かのビートとかドラムのトラックから始めて、メロディはその後についてくるの。詩に書くのは自分たちが知ってることや知ってる人のこと。友達から聞いた話や、夢に見た内容が歌になることもあるわ。

Q: メンバーが姉妹だってことがマイナスになることはありますか?ケンカはよくするんですか?

バンドも家族も似たようなものよ。わたしたちの場合、たまたま家族がバンドのメンバーだっただけ。もちろんちょっとしたケンカはよくするわよ。たいてい原因は誰かが黙って誰かの服を着たとかだけどね。わたしたちお互いずっと親友同士であり、同時に「ふざけんじゃないわよ!」って仲なのよ。

HAIM INTERVIEW (DON’T PANIC 18.06.12)

ということで、日本で CD などが発売されたり、ツアーで来日するまではもう少し時間がかかりそうですが、YouTube にはライヴの模様が色々上がってますので、こちらをお楽しみください。

Haim Live at Dingwalls
今月18日、ロンドンでのライヴ。アンコールでパパ・ハイムとママ・ハイムが登場、伝説のバンド Rockinhaim を再結成しています。
Haim Live at The Satellite
今年の2月20日、LA の The Satellite でのライヴ。
Haim Live at Bowery Electric
昨年10月21日、ニューヨークの Bowery Electric でのライヴ。
HAIM at the Palace Theater
2009年11月27日、LA The Palace Theater でジュリアン・カサブランカスのサポート・アクトを勤めたときの模様。このとき一番下のアラナはまだ16か17。

そしてこちらが Forever のプロモーションビデオです。ひとつ気になるのが、エスティがおへそのはるか上まで引っ張り上げてはいてるスカート。ああいう着こなしが今 LA で流行ってるんでしょうか?

2012/06/23

ロックのステージが伝統芸能になる日 (二代目アリス・クーパーを考える)

Alice Cooper & Orianthi
Alice Cooper & Orianthi, a photo by Mike__Lawrence on Flickr.

前回「これからは旅芸人一座の時代だ」という話をしたので、この人に触れておかないわけにはいけません。アリス・クーパーです。業界デビューは1967年ですから、この道45年の大ベテランです。マリリン・マンソン、ロブ・ゾンビ、キッスなどに大きな影響を及ぼし、シアトリカルなステージとショック・ロックの創始者として知られる偉い人です。アリス・クーパー一座を率い、今も精力的にライヴ活動を続けています。

ロック音楽というものが生まれてそろそろ50年くらい経ちます。ロックが生まれて間もない頃は演る方も聴く方も若くて「ロック音楽 = 若者の音楽」のように思われていたのですが、当然そんなの錯覚で、時が経つに連れ人は年を取っていきます。今では60代、70代のロック・ミュージシャンもリスナーも珍しくありません。

何十年にも渡って活動を続けているロック・ミュージシャンはけっこうたくさんいます。ただし、昔一世を風靡したアーティストでも、その後のキャリアの中で新たなファンを獲得できなければ、観客は中年や年寄りばかりになってしまいます。

ところがアリスは違います。アリスのステージというのは、ぶっちゃけ40年前も今も、あまり変わっていません。変わっていないのになぜか、常に新しいファンを獲得し続けています。アリスのライヴには兄ちゃん、姉ちゃん、おじさん、おばさんだけでなく、最近ファンになったガキんちょや、アリスと同年代のじいちゃん、ばあちゃんまで、他に例を見ないほど幅広い年齢層のファンが集まります。メタルなギターが鳴り響くステージの最前列でばあちゃんがガキんちょと一緒に「あ〜い、らぶざでぇっど」と歌ってる姿、これほど感動的な光景がほかにあるでしょうか?

新たなファンを常に獲得し続ける理由、それはもちろんアリス自身の作詞、作曲能力やステージ・パフォーマーとしての才能、魅力によるものであることに疑いはありません。だけどそれだけじゃないと思います。アリスのステージや作品にはアリス自身を越えた何かが宿ってるんだと思います。

日本の伝統芸能の世界でよく使われる言いまわしに「芸は一代限り」というのがあります。人の才能とか魅力というのは他人に引き継げません。その人だけのものです。だけど一方で、個人の才能を越えて引き継げるものがあるからこそ、「伝統」芸能というものが成り立つわけです。

ロック音楽とそのコンサートいうのは、まだ歴史の浅い芸能です。だからまだ伝統として引き継ぐべき形が見出せていないのだとも言えます。だけどアリスのステージは?アリスはひょっとしたら、今後数百年に渡って引き継がれる普遍的な何かを既に見つけたんじゃないかと思うのです。

普通、人は「俺は18歳、だけど頭は赤ん坊のまま、心はもう年寄り」とか「俺は死体が大好き」なんて歌やギロチン、縛り首パフォーマンスに伝統としての価値を認めたりしません。ですが、確かにここに何かあるんです。世代を越えて人を惹き付ける何かがあるんです。それをアリスが発見したんです。

アリスは今年64歳なんですが、今でも年間80本とか90本という、驚異的な数のステージをこなしています。ずっとそれを続けてます。旅芸人なんです。ですが体力的に考えて、今のようなステージができるのはあと数年でしょう。ここから先は勝手な妄想なんですが、アリスは今、自分の芸を引き継ぐべき跡取りを探してるんじゃないかと思うんです。

一年ほど前、アリスのバンドにオリアンティ(Orianthi)が加わりました。マイケル・ジャクソンの This is It にも出ていた、まだ20代の若き女性ギタリストです。何の根拠もないんですが、アリスはこのオリアンティを二代目アリス・クーパーにしようと考えてるんじゃないかな、と思うんです。

Q: アリスと一緒にやることになった経緯を教えてもらえますか?

ボブ・エズリンからのメールがきっかけだったの。ボブとはフィフィ・ドブソンの曲で一緒に仕事したことがあったんだけど、私がニューアルバムをレコーディングしていたナッシュビルまで彼が会いに来て、アリスのバンドでやってみる気はないかって誘ってくれたのよ。アリスとは一度アメリカン・アイドルで一緒に School's Out をプレイしたこともあったし、すごく惹かれる話だったのよ。

でもやってみたらこれマジですかって感じだった。だってアリスの曲を全部1週間で覚えなくちゃならなかったんだから。だけどこういうチャレンジは大好き。自分を未知の新しい分野に挑戦させるの。ミュージシャンってそういう人種なのよ。

Q: ええと、あなたはまだ15歳でしたよね?アリス・クーパーの長年に渡る膨大な作品についてあまりご存知なかったのでは?

15よりはちょっとだけ老けてるわよ!(笑) もちろん School's Out や Poison とか曲は色々聴いていたわ。アリスのことはずっと、すばらしくクールで最高のオリジネーターだと思っていたけど、バンドでアリスの曲をカバーしたことはなかっただけ。

1週間かそこらの大急ぎでレパートリーを覚えてみて分かったのは、曲がすごくうまく書かれてるってことだったの。クールなギター・パートがたくさんあるだけじゃなく、プレイヤーがさらに活躍できる余地が残されているのよ。スティーヴ・ハンターと一緒にプレイできるのも楽しい。今までやってきたことはまったく違う経験なのよ。

Q: マイケル・ジャクソンと一緒に仕事をした後ですから、間違いなくたくさんのバンドやツアーのオファーがあったと思うんですが、なぜアリス・クーパーを選んだんですか?

それが正しいと思ったからよ。ホンモノのロックンロールで、今まで私がやったこととは全然違っていたから。私はロッキー・ホラー・ショーみたいで、演劇的なアリスのステージが大好きなの。単なるコンサートじゃなくて、まさにショーなのよ。彼は素晴しいパフォーマーであり、ホンモノの存在感を持ってる。私はそういうのをやりたかったのよ。

Interview: Orianthi on touring with Alice Cooper

ね、なかなかいい娘でしょう、オリアンティ。二代目アリス・クーパーもありかなって思わない?もしオリアンティが来年のツアーと次のアルバムのレコーディングに参加するなら、俄然その確率は高くなると思います。

もちろんそんないきなりじゃなく、これから10年くらいかけて徐々にステージ上でのオリアンティの役割を増やして、その後、初代アリス・クーパーの引退と同時に二代目襲名披露を行うって感じでいかがでしょう?

あと30年くらい経って貫禄の付いたオリアンティがアリス・メイクで「私が車をドライヴ、あんたは私のタイヤの下敷き」って Under My Wheels を歌うの聴きたくない?オラは聴きたいなあ。

2012/06/21

そうだ、子どもたちと一緒にバンドをやればいいじゃないか! (Forever - Haim)

Haim
Haim, a photo by hobogirl923 on Flickr.

先日の話の続きです。

えっと、前回の話で何を書こうとしたかというと、ミュージシャンというのが以前みたいに儲かる商売じゃなくなってきた今、ライヴを中心に食っていこうとすれば、伝統的な家族を中心にした旅芸人の一座みたいのに戻っていくのがひとつのテじゃないかと思うんですよ。

コンスタントにライヴを続けてくってことは、要するに年中旅してるってことです。ステージをやって、車や飛行機に乗って、ステージをやって、また移動してという生活が延々続きます。バンドのメンバーがずっと顔をつき合わせてると、お互いの嫌なところも色々見えてきます。気候や食べ物がコロコロ変わる環境では、健康管理も難しくなってきます。実際、ツアーに明け暮れる毎日が嫌でバンドを脱退したとか、メンバー間のムードが険悪になって解散したという話はいくらでもあります。

一方、伝統的な旅芸人というのは、生活の前提が旅であり家族が基本構成になっています。旅が生活であり、旅の中でお互いの芸を長期的な視点で伸ばしていく人たちです。血を分けあった家族なら、お互いの性格や良いところ、悪いところも最初からよくわかっています。喧嘩したいときには思いっきり喧嘩できます。また身のまわりのことを分担したり、具合が悪くなればお互い面倒を見たり、ステージ以外の生活でお互いを助け合うことも当たり前です。赤の他人同士が集まって作ったバンドで、こうした関係を築くのは、そう簡単なことではありません。

またレコードや CD が音楽産業の中心となっていたここ数十年忘れられがちだったことですが、音楽ライヴのパフォーマーに必要なのは、音楽的才能や演奏テクニックだけではなく、ステージ上で観る人を魅き付ける技術も必要です。それは話し方や声の出し方や、時間的、空間的、人的な押したり引いたりの間合いです。こうしたものは、もちろん個人の才能も必要としますが、ステージの場数をこなすことで獲得する技術でもあります。伝統芸能では年端もいかない子どものうちからステージに立たせることが珍しくありません。それは「パフォーマーは観客によって鍛えられる」ことの重要さを長年の経験から知っているからです。ステージの繰り返しの中で、次の世代の才能を育てていくのが旅芸人のやり方です。

ということで、21世紀、これからのライヴ音楽は再び旅芸人一座の時代が来る。そんな気配を感じさせる家族バンドが色々登場しています。たとえば Kitty, Daisy & Lewis、あるいは First Aid Kit などがありますが、最近一番の注目のバンドは以前もここで紹介した Haim です。

LA 出身のハイム家三姉妹のバンドなんですが、元々はRockinhaim という家族バンドだったんですよ。

ギターを弾き始めたのは7歳くらいのとき。ママはアコースティック・ギターが弾けたので、ビートルズやジョニ・ミッチェルの曲をたくさん教えてくれたの。ママはずっとジョニ・ミッチェルみたいになりたかったの。でも生活のためにその夢をあきらめなくちゃならなかったみたい。だからその夢を私たちにかなえてほしかったんだと思う。私たち小さな頃からパパとママと一緒に家族でバンドを組んでいたのよ。その前に両親は別の夫婦と一緒に Boomerang という名前のバンドをやっていたんだけど、解散しちゃったの。パパはよほどショックだったらしく、一時はもう誰ともバンドをやりたくないと思ってたみたいなんだけど、ある日「そうだ、子どもたちと一緒にバンドをやればいいじゃない か!」って思い付いたみたい。それで私たちは町のチャリティや子ども病院、お祭りなんかで古いポップスやロックを演奏するようになったわけ。

DISCOVERY: HAIM

家族バンドとしての活動は10年にも及んだそうですが、姉妹は成長するに連れ て、単なるアマチュアのコピーバンドとしての自分たちに飽き足らなくなって きました。

私たちは自分たちでオリジナルの曲を書き始め、新しいドラマーを入れようって決めたの。「パパ、ごめんなさい。私たちは、同じ年頃のドラマーと一緒にやるべきだと思うの」って。パパはわかってくれたわ。だけど今でもすごく申し訳なく思ってる。

Haim, the hot new folk/R&B trio

こうして三姉妹は新たなドラマーを加え、4年ほど前に Haim が誕生しました。ハイムの現在のメンバーを紹介しておきましょう。ベース担当の長女エスティは24歳、ギターの次女ダニエルは22歳、キーボードやギターを担当する三女のアラナは19歳です。唯一の男性で家族外のメンバーはドラムのダッシュ・ハットン君です。

Haim の音を聴いてまず驚くのは、そのライヴでのしっかりした演奏力とコンビネーションの素晴らしさです。さすが子どもの頃からステージに立ってきただけあります。ライヴならではのエネルギッシュな歌や演奏をしながらも、「バンドとしての音」を聴かせる、観客を楽しませることを忘れません。またひとつの曲の中でリードヴォーカルがダニエルからアラナに、さらにエスティへと入れ替わったりするんですが、その呼吸、間合いが絶妙なんです。赤の他人が集まって数年一緒にやっただけでは、なかなか実現できるものではありません。

Haim は SXSW でのステージが話題になり、イギリスなど他の国からも声がかかるようになって、現在はイギリスでミニツアーを行っています。デビュー EP 「Forever」は iTunes などでダウンロード販売されている(UK のストアのみ)ほか、7月初めに限定盤のアナログ10インチが発売されることになっています。

全国の音楽好きのお父さん、お母さんたち、どう?子どもたちと一緒にバンドをやってみては?旅芸人になりませんか?

Haim にはオフィシャルなプロモーションビデオもあるんですが、やっぱライヴの方がお勧め。圧倒的にかっこいい。

(さらに「ロックのステージが伝統芸能になる日」へつづく)

2012/06/14

レコード業界の不振について素人が勝手に考える

Juke box
Juke box, a photo by evikk on Flickr.

その昔ロックスターというのは、何の元手もない若者が一躍大金持ちになる代表的な手段でした。もちろん今でもそういう例がなくはないのですが、レディー・ガガとか世界でもごくごく限られた一部の例に過ぎず、昔から元々高くなかった確率がさらに低くなっています。けっこう名の知られたバンドやミュージシャンでも、実は食うや食わずという例が多いようです。

原因は、最近流行りの言葉で言うコモディティ化ってやつでしょうね。今から35年前、国内盤レコード1枚の値段は2,500円でした。今の CD と値段変わりません。当時は高級品だったんです。当然たくさん売れると儲かりました。

それからレコードというのは大きくて場所を取ります。スペースに限りのあるレコード・ショップの店頭にはそんなにたくさん置いておけません。だからひとつのバンドやアーティストの全カタログがお店に揃ってることはなく、最近出た一部のレコードしかないというのが当たり前でした。比較的どのレコードも入手し易いのはビートルズくらいでした。店頭にあるレコードが少ないということはつまり、競争が今よりはるかに少なかったわけです。一旦売れセンのモードに入ると選択肢が少い分、加速し易かったのです。

CD が一般に普及したのは1980年代中頃からです。レコードに比べて小さいので、当然お店にたくさん置けます。CD の新譜がどんどんリリースされるのと並行して、レコード時代に廃盤になっていたものが再リリースされるようになりました。ちょっと大きな CD ショップへ行けば、主なアーティストの新譜、旧譜が全部揃ってるのは当たり前になりました。音楽好きは、それまで聴きたくてもなかなか手に入らなかったものが手軽に聴けるようになって喜んだものです。この時期、店頭に置かれるタイトル数はどんどん増えましたが、それに連れてみんながたくさん CD を買うようになったので、アーティストやレコード会社はとても潤ったのです。それが1990年代中頃まで続き、日本でもたくさんのプロのバンドやミュージシャンが生まれました。

でも人間誰でも一日は24時間、音楽を聴く時間は限られますから、出せば出すだけどんどん CD の売り上げが増えるわけではありません。ですからレコード会社の売り上げは当然頭打ちになります。

さらにここ10年ほどで iTunes Store など、音楽がデータとしてダウンロード販売されるようになってきました。この販売方法は店舗スペースを必要としませんから、販売タイトル数に物理的な制約はほぼありません。もう廃盤で入手できなくなることはありません。どんなマイナーなものであろうと、あらゆるアーティストの過去から現在までの作品すべてが(理論的には)揃います。1930年代にハイチの伝統音楽をフィールド・レコーディングした10枚組レコードみたいな、かつては日本で3人くらいしか買わなかったようなものが、誰でもいつでも簡単に入手できるようになりました。個人で入手できる音楽の選択肢が爆発的に増えたのです。

一方でデジタル録音技術も普及、低価格化したため、自宅で一人でアルバムを作ることさえ可能になりました。このため新しい作品をリリースするアーティストも爆発的に増えています。こうして競争は極限まで激化し、キャリアの長いアーティストなどは、ニューアルバムを売るために、過去の自分の作品と競争しなければならないハメにまでなっています。

多少アルバムや曲がヒットしたところで、アルバム販売だけではろくに食っていけない。あるいは今は大丈夫でも、来年はどうなるかわからないというのが現在の音楽アーティストの状況です。ひと頃、あるバンドのメンバーが別のアーティストと組んで作品をリリースするというコラボ物が流行しましたが、これは「作品ひとつ当りの収入が減ってるので、数出して勝負するしかあるまい」ってことなんだと思います。

ただコラボ物やリミックス物を連発したところで、聴く方はすぐに飽きてしまいます。ちゃんとした作品を作りたいアーティストはもちろん、そんな水で薄めるみたいなやり方はしたくないでしょう。そんな真面目なアーティストたちは今、どうやって食っていってるのかといえばライヴです。

ある程度知名度があるバンドなら、コンスタントにライヴ回数を重ねていくのが一番確実に収入が得られるのです。ここでよく取り上げる PiL なんかその良い例です。ジョン・ライドンはあまり分析的に物を考えるタイプの人ではありませんから、自分にできることを手探りで試していった結果、現在のライヴ中心のバンド運営体制になったのだと思います。

昔、羽振りが良かった頃のレコード会社はレコードや CD を売るために、様々な媒体に広告を出したり、ライヴツアーの資金を拠出したりしていました。ところが今のレコード会社にそんな余裕はありません。広告は最低限で、ごく一部のアーティストだけ。それどころか、アーティストに対する支払いが滞ってるなんて話もあちこちで聞かれる始末です。

PiL の場合、(たぶん過去のツアーやレコーディング費用の)借金がレコード会社に残っており、20年間新作を出せなければ、ツアーもできない座敷牢状態が続いていました。その状況を脱するため、2009年、ジョンはバターの CM で得た出演料を元手に、バンド・メンバーや会場を確保、イギリス国内で7回のライヴを開催、成功させました。

さらにそこで得た収益を元に本格的なツアーを開始、2010年から2011年にかけて合計61回のライヴで世界各地で開催しました。この結果、レコード会社に借金を返済して縁を切り、自前のレーベルからニューアルバムをリリースすることができたわけです。

この間、レコード会社から PiL に対しては、何のサポートもありませんでした。その代わり、ジョンはテレビ、ラジオ、ネット等あらゆるメディアの取材を積極的に受けて、自ら宣伝に奔走しました。2009年後半から2011年にかけて彼が受けたインタビューは、現在ネット上で確認できるものだけでも174本に及びます。結果的に、今やレコード会社の宣伝に一切頼らずとも世界的なツアーは可能で、充分な収益を上げられるということを証明してみせたわけです。

そしてレコーディングの費用まで確保して、この5月下旬、ついに20年ぶりのニューアルバム「This is PiL」をリリースしました。独立レーベル PiL Official にはバンドメンバー以外には数名しかスタッフがいないそうです。当然自前の配給網もありません。ですが、ディストリビューションは各国の配給会社と個々に契約することで、逆にコストをかけずに運営できます。ニューアルバムのリリースに当たってもやはり、ジョンは自ら宣伝に奔走しました。余分なお金はないため、広告を打つことができなかったためです。結果はイギリスのアルバム・チャートで見事に初登場35位を獲得、従来の形のレコード会社はもはや必要ではないということを、やはりここでも実証してみせたのです。

こうした音楽業界の状況について、実は1996年時点で既に経済学者のポール・クルーグマンが予見し「有名人経済」と名付けています

ということで、これからのバンド運営について話は続くんですが、本当は PiL じゃなくて Haim について書こうと思ったんですよ。話の枕が長くなっちゃったので、稿を改めて書くことにします。

(「そうだ、子どもたちと一緒にバンドをやればいいじゃないか!」へつづく)

2012/06/11

俺がここにいるだろ。見えないのか? (This is PiL - パブリック・イメージ・リミテッド)

Rolling The Ball 絵: ジョン・ライドン

PiL のニューアルバム「This is PiL」が発売されてそろそろ2週間になります。みなさん、もうお買い求めになられたでしょうか?「DVD 付きの限定盤待ちで、まだ届いてないんだよ」という人も多いみたいですね。何だかディストリビューションやってる会社が限定盤の出荷をミスって流通が混乱してるという噂もあるんですが、大丈夫、もうすぐちゃんと届きますから、もう少しだけ辛抱しましょう。

ただ老婆心からアドバイスさせていただきますと、アルバムだけで64分に及ぶ大作です。アナログだと2枚組で、中身の濃ゆい12曲がみっしり詰まっています。一度聴き終えると、またすぐに繰り返し聴きたくなります。この上さらに2時間半のライヴを丸ごと収録した DVD まで届いたら大変ですよ。寝てるヒマなくなってしまいますよ。とりあえず単体の CD かレコードを先に買って、ゆっくり味わいながら DVD を待った方がいいと思うけどなあ。

そうすると CD がダブっちゃう?それも心配ありません。だって聴けばほかの知らない人に「いいから、一度黙って聴いてみな!」って絶対 CD を押し付けたくなりますから。2、3枚くらい余計に手元に置いといても無駄になることはありません。

さて、今回のアルバムは何度かここにも書いた通り、イギリスはコッツウォルズの田舎のスタジオで6週間かけてレコーディングされたものです。ジョン・ライドンはインタビューでしきりに「納屋で羊と一緒に録音した」なんて言ってますが、本気にする人がいるといけないので一応説明しておきますと、使ったのはスティーヴ・ウィンウッド所有の Wincraft Music Studios という石造りの納屋を改造したスタジオです。アルバムを通じて聴こえるライヴな感じの残響音は、このスタジオの石壁によって生み出されたものです。ただし羊に囲まれていたのはホントです。「One Drop」のプロモーション・ビデオでスタジオや周囲の風景が見られます。

俺たちにふさわしいスタジオだよ。似合わないって?本当のことを言えば、予算の都合もあって、見つけた中で一番安く使えるスタジオがあそこだったんだ。スティーヴィ・ウィンウッドが所有してる羊の国のど真ん中にある納屋みたいな建物さ。ヤッホー、羊たち!

蓋を開けてみると、これが最高だったんだよ、何しろそのスタジオにはジム(James Towler)っていうすげえエンジニアがいたんだ。俺がずっと音楽に関して言い続けてきたこと、俺たちがずっと言ってきたことを、彼はちゃんと理解していた。マイクがちゃんとセットしてあってすぐに使えるようになってるから、俺たちはリハーサルをして、ジャムって、あとは録音するだけでいいレコードが仕上がる。いちいち細かな指示をする必要なんてない。最高のスタジオだよ。曲のほとんどはライヴ形式で録音したんだ。

PiL のメンバーはお互い複雑に影響し合い、いわばパッションのトレードで成り立ってる。ペンと紙で書くだけのものとはわけが違う。俺たちにはゆっくり新曲のリハーサルをする時間なんてなかったし、一旦レコーディングに入ればハードワークになるってことが分かっていた。だが俺たちはお互い人間としてよく分かり合ってるから、そんなことは問題にならない。だからほかのメンバーが即興で演奏するその場で、それに合わせて詞を書くことができる。

俺達のやる即興というのは、膨大な考えを様々な作品に注ぎ込む作業なんだ。6ヶ月に及ぶ集中的なツアーを終えると、脳味噌が「また何か新しいことをやらなくちゃならない」って状態になるんだ。

でき上がったアルバムは、ちょっとラフに聴こえるなって自分でも思う。だがそういう作品なんだ。俺たちは完全に働き過ぎの状態だった。毎晩、毎晩、連日毎回、2時間半のギグを続けていて、俺の声も枯れ気味だった。けど俺たちは望んでそうしたのさ。過労状態でそりゃつらいさ。だがハードワークは素晴しいものを産み出すんだぜ。

俺がピアノの前に座って、歌のインストラクターと一緒にド、レ、ミ、ファ、ソーなんてやるわけないだろ。そんなんでろくなものはできない。

すげえ大変な道のりだったよ。だがもう解決したんだ。俺たちはツアーをすることで、バンドとして生き残るために必要な金を作ることができた。うれしいことに、俺たちはそうやって生き残れたんだ。メジャー・レーベルの足枷や束縛から逃れられて本当にうれしい。俺は20年間金がなくて、ツアーもできなければ、レコードも作れない、何ひとつできない状態だった。多少の金を稼いでも、レコード会社への借金返済に消えていたんだ。だからメジャー・レーベルがどんどん没落してうれしいよ。自業自得だ。

John Lydon interview – the long version

アルバムを聴いてまず印象に残るのが、新メンバー、スコット・ファースの弾くぶ厚いベースの音です。人によっては「あれ?Metal Box?」と思うかもしれませんが、よく聴いてください。Metal Box とはまた質感が全然違います。ベースの音色も曲ごとに多様で、何というか、アルバムを通じてこれまでのPiL にはなかった暖かでハッピーな感触を、彼のベースが醸し出しています。

スコッティは初日からバンドにしっくりと馴染んでいた。彼が最初にネットで送ってきたのは、コワ面のフーリガン風スキンヘッドの写真だったんだ(笑)。思わず吹き出してしまったよ。彼の経歴がまた多岐に渡っていて傑作だった。スティーヴ・ウィンウッドと一緒にやっていたと思えば、次はすぐにスパイス・ガールズのツアー・バンドに切り替わるんだぜ。俺たちと一緒にやっていけるオープンな心の持ち主だと思ったね。

Interview: John Lydon

信頼できるメンバーやスタッフと共に、約2年に渡るツアーでオーディエンスから大きな力を得て、経済的な問題もクリア、ニューアルバムを引っ提げて新たなツアーに出るジョン・ライドンはこれまで以上にパワフルでポジティヴです。なんだか最近は「熱血」という言葉が似合うようになってきました。そうです。パンクとは熱血で真っ直ぐなことなんです。This is PiL!

Q: パンクはまだ生きてると思いますか?

俺がここにいるだろ。見えないのか?

John Lydon talks PiL, Sex Pistols, Green Day and the Olympic Games

(2012/06/12 追記) ジャケットの動物は毛刈りの途中で逃げ出した羊かと思ってたんですが、正しくはバッファローだそうです。ジョンが新しく始めたビデオ・ブログ、ロリポップ・ブログでそう言ってました。

2012/06/01

シド・ヴィシャスのオリジナルはシド・バレットだ!

Hamster by turquoise field
Hamster, a photo by turquoise field on Flickr.

PiL 20年ぶりのニューアルバム「This is PiL」が先月、無事リリースされました。長いこと待った甲斐のあるすばらしい作品で、書きたいことが色々たくさんあるんですが、ここはあわてず落ち着いて、新作については1曲ずつ徐々に書いていきたいと思います。なので、今日のところは新作とは直接関係のない軽いネタ。

ジョン・ライドンが友人のジョン・ビヴァリーにつけたあだ名、シド・ヴィシャスというのが、実は彼が飼っていたハムスターの名前だったというのはファンの間ではよく知られている話で、彼の自伝「No Irish, No Blacks, No Dogs」にも書かれています。ところが今年4月になって、新たな事実が判明しました。この話にはまだ続きがあったのです。

NME 4月14日号にジョン・ライドンとザ・ホラーズ(The Horrors)のリース・ウェッブ(Rhys Webb)の対談記事が掲載されました。ジョンとリースは和気藹々と音楽談義に花を咲かせているのですが、そこでこんな話をしています。

リース「シド・バレット時代のピンク・フロイドは聴いたことあります?好きですか?ファースト・アルバムは素晴らしいですよ。」

ジョン「好きだよ。シド・バレットといえば、彼がオリジナルのシド・ヴィシャスなんだ。彼のニックネームだったんだよ。それで俺は彼にちなんで、ペットのハムスターに同じ名前をつけた。シド・ヴィシャス2号さ。その後やってきたのがジョン・ビヴァリー、彼がシド・ヴィシャス3号になった。つまりシドは良き先人たちが連なる、由緒正しい名前を引き継いだんだよ。」

NME April 14, 2012

シド・バレットがシド・ヴィシャスというあだ名でまわりから呼ばれていたのか、それともジョンが勝手に名付けてそう呼んでいたのかは分かりませんが、とにかくピストルズのシドは三代目だそうです。

あとジョンは「I Hate Pink Floyd (ピンク・フロイドなんて大嫌いだ)」と胸に書かれた T シャツを着ていたのがきっかけでピストルズにスカウトされた経緯があって、本当にそうだと思ってる人が今でも多いのですが、上記の通りそんなことはありません。ピンク・フロイドは大好きだそうです。ジョンはデイヴ・ギルモアとも親交があって、2007年のインタビューではこんなことを言ってました。

(デイヴ・ギルモアは)すごくいいやつだよ。去年、LA でギグをやるから Dark Side Of The Moon の曲を何か歌ってくれないかって話があったんだ。ディスカバリー・チャンネルの虫のドキュメンタリー(John Lydon's Mega Bugs)の仕事とぶつかっていなければ、ぜひやりたかったんだけどさ。"I Hate Pink Floyd" に関する話には笑っちゃうよ。あれをマジに受け止めている奴は考えを改めたほうがいい。俺はシド・バレット、彼がオリジナルのシド・ヴィシャスなんだけど、彼のいた初期のピンク・フロイドが大好きなんだ。もちろん70年代のいくつかの作品も大好きさ。俺が嫌いだったのは、ピンク・フロイドを神のようにして崇めて、批判なんか許さないって態度を取っていた連中のほうさ。もうひとつおもしろい話があるんだよ。俺の弟がトリントン・パークにある学校に通ってるんだけど、そこの美術の教師がなんとロジャー・ウォーターズのヨメさんなんだよ! 世界は狭いよな。もちろんその女性が嘘をついていなければの話だけどさ... そうだよ、あいつら実はいんちきヒッピーなんだ!

Uncut Magazine, December 2007

昔のジョン・ライドンは他のアーティストやバンドなどの影響をめったに口にしないことで有名だったのですが、ここ5年ほど様子が変わってきて、好きなバンドや曲名をどんどん明かすようになっています。上記の対談でもほかに、ホークウィンド、ドクター・フィールグッド、ジェイムズ・ブラウン、ビージーズなどの名前が挙がってます。

現在イギリス BBC では、パンク35周年記念として Punk Britannia というテレビ、ラジオを合体させたシリーズ企画をやってるんですが、本日その第一弾、6 Music ラジオの番組 Playlist でジョン・ライドンの番組が放送されました。ジョンが DJ を勤め、1時間に渡って自分のお気に入りの曲をかけまくる番組です。今日かかったのは以下の20曲です。

  1. Jim Reeves - Welcome To My World
  2. Audience - Eye to Eye
  3. ABBA - Fernando
  4. Bonzo Dog Doo-Dah Band - Canyons of Your Mind
  5. Bee Gees - New York Mining Disaster
  6. Pete Seeger - Little Boxes
  7. Petula Clark - Downtown
  8. Noël Coward - Mrs. Worthington
  9. Johnny Cash - A Boy Named Sue
  10. Captain Beefheart and His Magic Band - Moonlight on Vermont
  11. Public Image Ltd. - Deeper Water
  12. Soggy Bottom Boys - Man of Constant Sorrow
  13. Patsy Cline - I Fall to Pieces
  14. T.Rex - Cadillac
  15. T.Rex - Life's a Gas
  16. Edgar Broughton Band - Gone Blue
  17. Black Sabbath - Paranoid
  18. Count Five - Psychotic Reaction
  19. Alice Cooper - I'm Eighteen
  20. Édith Piaf - No Regrets

このリストを見て「ええーっ、何これ?」と思う人、「あー、やっぱし」と思う人、「えーん、知らない曲ばっかし」と嘆く人、人によって感想は色々でしょうが、どれもジョンお勧めの曲です。6 Music の Web サイトで4週間聴けるようになってますので、この週末、ゆっくりとお楽しみください。

ところで Edgar Broughton Band の Gone Blue という曲はこの放送で初めて聴いたんですが、これひょっとして Poptones の元ネタ?

なおジョンのこの番組は続きの Part 2があり、6月3日、日本時間の夜8時から放送の予定です。

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