Thomas the Train and "The Fat Controller", a photo by FotoSpawn on Flickr. |
「Bad Worn Thing」はグレアム・ルイス(Graham Lewis)がイングランドを鉄道で旅行したときに味わったひどい経験を元に書いたそうです。日本からの旅行者がよくイギリスの鉄道のいいかげんさについて書いていますが、それに慣れているはずのグレアムが怒ったのですから相当ひどい目に合ったのでしょう。
普通のバンドなら怒りを込めてシャウトするところですが、ワイアー(Wire)ですからそんな曲になりません。ドラムとベースが紡ぎ出す田園地帯を淡々と進む列車のようなビートを基本に、ギターは幻想的で哀愁を帯びたどこか希望さえ漂わせるようなトーンで奏でられ、悲観的な歌詞があくまで冷静に歌われます。
実は今の日本の政治、社会状況を歌った曲なんだよ、と言っても通るんじゃないかな。
ピーラーが挟まったジャムサンドイッチ
ポン引きの所持品検査をしてカーディーラーの正体が明らかになる
太っちょ局長の鉄道はノロノロ進む
人の命を奪うことに奴は躊躇しない駅のシャンペン・バーでポーカーパーティーのエースを監視
望みのない空間
気力の萎える胡散臭い場所
誰も働かないし、働けと言う者もいない連中はスピーチの時間を短縮して
きみの翼を刈り取る
関係の消失による仲間の不在
アブソルートウォッカの絶対的真実
必然的結果の満員状態俺に従え!説明は抜きだ
売り飛ばされた未来、首相はゆっくり歩く
ますますひどくなる痛みは
誰も直面しようとしない過去に起因する連中はスピーチの時間を短縮して
きみの翼を刈り取る
関係の消失による仲間の不在
アブソルートウォッカの絶対的真実
必然的結果の満員状態くたびれてヨレヨレのガラクタ