Ginger Baker, a photo by Zoran Veselinovic on Flickr. |
ジンジャー・ベイカー(Ginger Baker)というドラマーの名前、若い方はご存知ないかもしれません。やせっぽちのいんちき臭い風貌のじいさんで、似た感じの人はみなさんのご近所でもよく見かけると思います。
彼を有名にしたのは何といっても、エリック・クラプトン(Eric Clapton)、ジャック・ブルース(Jack Bruce)と共に結成したバンド、クリーム(Cream)としての活動なんですが、そのドラミングが後の音楽に与えた影響は、知名度以上に大きなものがあります。
40年以上前、アフリカのポピュラー音楽がまだ「後進国の遅れた音楽」としか見られていなかった時代に、ナイジェリアのフェラ・クティ(Fela Anikulapo Kuti)らと共演し、その音楽を世に紹介した人としても知られています。
ジャズとかロックとか民族音楽とかのジャンルの垣根を乗り越えた活動、というより「垣根?それがなんか俺に関係あんのか?」という感じの人で、もう70歳を越えてるんですが、最近になってもまだ女の人に騙されて大金をふんだくられたりしています。
ジンジャーは1986年リリースの PiL の「Album」でジョン・ライドン(John Lydon)と共演しています。fodderstompf.com の情報によると、Fishing、Round、Bags、Ease の4曲で彼がドラムを叩いています。お互い罵しり合いながらのレコーディングだったようですが、歴史に残る傑作が生まれる現場というのは往々にしてそんなもんです。
なぜか突然、そんなジンジャーさんのドキュメンタリー映画が作られて、今月9日から始まる SXSW で上映されることになりました。その映画のトレーラーがネットで公開されているんですが、冒頭で最大級の賛辞を述べているのはエリック・クラプトンではなく、我らがジョニー・ロットン様です。わはは、ざまあみろ!
これはジンジャー・ベイカーの映画だ。普通の人間にはない何かを持ってる男だ。正当に評価されていなくて、あいつの性格がいかにイカレたものに見えようとだ。
彼に神の祝福を。彼が道と共にあらんことを。あいつのお陰で俺は自分の道を切り拓くことができた。愛してるぜ、ジンジャー! ジョニー・ロットンは心底あんたに惚れてるぜ!
「文句があったら遠慮することはない、いつでも俺の鼻をぶん殴るがいい。あんたを訴えたりはしないさ。殴り返すだけだ。」 - ジンジャー・ベイカー