2013/03/30

英語がわかんないからって気にすることない。俺もよくわかんねえんだから (PiL China 2013)

摩登天空新年钜献 后朋克传奇乐队PUBLIC IMAGE LTD双城记

今年の PiL のツアーが今夜、北京でのコンサートから始まります。来週には日本にやってきます。比較的暖かい日が続くようですが、ぎりぎりになって風邪をひいたりしないよう、お家に帰ってきたら必ずうがい、手洗いを忘れないでください。早寝、早起き、万全の体調でジョニーとその仲間たちを迎えましょう。

さて PiL のツアーの始まりは中国、北京と上海でコンサートをするんですが、日本同様、西洋とは大幅に異なる文化を持ち、つい最近まで文化的な交流が強く制限されていた国でのコンサートということで、現地ニュースサイトの取材を受けたり、ジョニーはすごく張り切ってキャンペーンをしていて、YouTube には PiL Chna 2013 という専用リストまで設けています。だけど中国から YouTube へのアクセスって制限されてるんじゃなかったっけ?

中国の現在の物価水準からすると 普通の人にとって PiL のチケットはものすごく高価なもののようです(日本だと2万円以上するくらいの感じ?)。観に行ける人はかなり限られるんでしょうけど、今回ジョニーのパフォーマンスを観る人の中から将来の中国のキーパーソンが生まれることは間違いありません。

どういうわけか、きわめて不思議なことに俺の歌詞はすべて(中国)政府に承認されたんだ(笑)。きっと俺がすごく正しいことを言ってるって認められたんだな。さすがは西洋の国にはできなかったたくさんのことを成し遂げてきた国だ。こんなにオープンに歓迎されてゾクゾクする。最高におもしろい。人生最高の経験になりそうだ。

西洋の国の人間は中国を自分たちと違う、よそ者として見てる。だが俺はその中国の、政治家じゃない普通の人々に会いに行くんだ。そしてその人々のために演奏する。

俺たちが本当に興味を持っているの今の中国の政治状況なんかじゃなく、中国の文化を築き上げてきた人々の方なんだ。俺は子どもの頃学校で孔子について学んだ。みんな学んでるんだぜ。だから俺たちが中国に対して持ってる印象は、ここ70年くらいの政治状況によるものじゃなく、何百年もの間世界中にポジティブな影響を及ぼしてきた中国の方なのさ。

かつては障壁があり、俺たちは中国に行くことができなかった。だがその障壁は今や崩れ落ちた。だが俺たちにこれからの中国をどうしたらいいかなんて話を期待しないでくれ。俺たちをエルトン・ジョンと一緒にするなよ

あいつはものごとを一方からばかり見て、両面から見ようとしない。そうじゃないか。あいつはいつも同性愛者としての視点からしかものを言ってない。だから狭くて偏狭な見方になるんだ。俺はいかなる人種、宗教的、政治的信条、性的傾向も受け入れる、かまわない。人間の中に俺の敵は誰ひとりいない。なのに政治的勢力というやつは俺に難癖をつけてばかりだ。だが一方で、中国政府は俺の歌詞をチェックして、俺が何を主張し、何のために中国に行くのか認識した上で、見事許可を出した。中国とっていいことじゃないか。

中国はずっと文化的に俺の興味を引いてきた国だし、これからも引き続けるだろう。だがその中国は現代の世界に扉を開き、PiL を受け入れたと同時に西洋の生活様式も受け入れようとしている。だから西洋の考え方に染まらないうちに、それが問題だらけなんだと言っておく。西洋と同じやり方をしていくと、西洋と同じ問題に次々と遭遇する。西洋が提供するものを鵜呑みにするな。おかしなものがたくさん混ざってる。ただし西洋には PiL がいる。こっちはすごくいいものだから素直に受け入れていい。

俺が今の中国について何か見て知ってることと言えばネットの Google マップで見たものくらいさ。ただそれもスモッグで覆われててほとんど見えなかったんだけどな(笑)。

ものすごい楽しみだよ。何も知らないからさ。何も知らない赤ん坊のような状態で中国へ行くんだ。だからやさしくしてくれよ。友達になってくれるよな。中国人は歓迎してくれるよな。素晴しい機会なんだ。俺はこの機会を絶対無駄にしたりしない。だからみんなも無駄にしないでくれ。

SmartShanghai Interview: John Lydon

John Lydon: Message for China - 「英語がわかんないからって気にすることない。俺もよくわかんねえんだから」