Robert Grey by Fergus Kelly on Flickr. |
昨年に引き続きワイアー(Wire)のおじちゃんたちは今年も日本にやって来てくれました。いつも通り淡々と演奏して、淡々と帰っていきました。その淡々としたワイアーの中でも一際淡々としてるのがドラムのロバート・グレイ(Robert Grey)です。まるで寡黙なボクサーがトレーニングをしてるみたいにいつもステージの後ろで黙々とドラムを叩き続けています。
長年ワイアーを聞き続けてる人なら彼のドラムがワイアー・サウンドの要だということはよおく知ってると思います。いわゆるロック的なノリというものを完全に排除した彼のビートがワイアーをワイアーたらしめています。
嘘だと思ったらコリン・ニューマン(Colin Newman)が彼の奥さんマルカ(Malka Spigel)と一緒にやってるバンド GitHead と聴き比べてみてください。Wire も Githead もメンバーは4人で楽器構成も同じ、同じように多くの曲をコリン・ニューマンが書いて、似たようなメロディとギターサウンドで同じコリン・ニューマンが歌ってます。でも Wire と Githeadd それぞれの曲から受ける印象がまるで異なります。
たとえば Wire の 「One of Us」と Githead の「Take Off」を聴き比べてみてください。
ね、全然違うでしょう。え?まったく同じに聴こえる?困ったなあ。いやビデオ撮影を担当したのが両方ともマルカなので、視覚に惑わされて同じように聴こえるのだと思います。目を瞑ってもう1回よおく聴いてください。
ね、違うでしょう?はい、違いますね。違うということになりました。この違いがどこから生まれるかというと、ロバート・グレイの叩くドラムのビートなんですよ。そういうことにしておいてください。
ええっと、ところで話は変わりますが中高年のみなさんの中には「ワイアーのドラムってロバート・ゴウトゥベッド(Robert Gotobed)って名前じゃなかったけ?」と疑問に思う方が少なくないと思います。はい、昔はそう名乗ってました。その理由については本人がこのように語っています。
Gotobed というのは先祖代々うちの名字なんだけど、祖父はこの名字が嫌いだったんだ。誰もホントの名字だって信じてくれなかったからさ。それで祖父は名字を Grey に変えたんだ。俺自身は Grey という名字で育ったんだけど、若い頃そのことを知り逆にこの奇抜な名字が気に入って Gotobed を名乗ることにしたんだ。当時はパンクの時代で変な名前を名乗ってるやつがたくさんいたから、俺の名字もきっとその類いだとみんな思ってたみたいだよ。
だけど時を経るに連れて俺も祖父と同じ意見を持つようになった。若いときには Gotobed という名字が力になることもあるが、年を取ると却ってそれが邪魔になるんだろうな。Grey という名字の方が今の自分にはふさわしいってわかったんだ。たぶん自分に自信が付いたせいだと思うよ。もう奇抜な名前で自分を誇示する必要なんてないからさ。
すごい速さでやって来る
彗星だこっちへ向かってやって来る
ちゃんときみの名前が書いてある天からの贈り物
壊滅的大惨事大合唱が起こる
大合唱が起こる
ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁーん
後はただすすり泣く声大合唱が起こる
大合唱が起こる
ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁーん大合唱が起こる
大合唱が起こる
ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁーん大合唱が起こる
大合唱が起こる
ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁーん大合唱が起こる
大合唱が起こる
大合唱が起こる
大合唱が起こる