Haim の魅力は何と言っても演奏してる三人がみんなすごく楽しそうなこと。一応新人バンドなんだけど、みんな小さな頃からステージに立ってるから、すごくリラックスしてマイペースで演奏してる。ステージが特別なものじゃなくて日常生活の一部って感じで、三人の自然な魅力が伝わってきます。
ステージ中央、次女のダニエルはねえ、歌の合間に出る「ハッ!」って掛け声がとってもカッコいいんですよ。どれくらいカッコいいかというと、漢字で「哈ッ!」って書いた方が似合うくらいものすごくカッコいい。ギターもワイルドで素晴しい。知ってた?ギブソン SG っていうのはこうやって鳴らすんだよ。これが正しい SG の弾き方なんだよ。
ステージ右側、長女でベースのエスティはしっかりしたテクニックで抜群の安定感、頼りになる姉ちゃん。「大丈夫、姉ちゃんにまかせといて!」って感じで、サウンドの土台を支えてる。バンドのひょうきんなムードメイカー。
ステージ左の三女アラナは明るい末っ子キャラ。キーボード、ギター、パーカッションにヴォーカルと忙しいんだけど、年齢に似合わずステージではすごく冷静でキメるところはちゃんとキメる。はずさない。ギターのストラップが切れたって慌てず騒がす冷静に座り込んで演奏を続けます。
三人は現在イギリスをツアー中で、12月3日には第2弾の EP (シングル?)「Don't Save Me」がイギリスで発売になります。何で LA のバンドなのにイギリスなのかというと、契約したレコード会社ポリドールがイギリスの会社なんでイギリス、ヨーロッパでまず集中的にプロモーションをってことなんだと思います。ホワイト・ストライプスしかり、スパークスしかり、ユニークなアメリカのバンドというのはなぜか本国よりイギリスで先に火が点くもんなんですよ。
Q: あなたたち3人はまだ小さな頃から両親と一緒に町のあちこちのステージに立って色んなカバー曲を演奏していたと聞いてます。つまり家族として一緒に生活してるのと同じくらい長い間、お互いミュージシャンとしてもつき合ってるわけですよね。両親と一緒にプレイしてた頃の思い出を何か聞かせてくれませんか。
一番の思い出は両親と一緒に初めてフェアファックスの Kibbitz Room のステージに立ったときかな。わたしたちみんなまるでロックスターになったみたいだった。とても不思議な気分で、そんな風に感じたのは初めてのことだったの。
Q: あなたたちの誰か、今までにもうプレイしたくないって思ったことはありませんか?
もうプレイしたくないなんて誰も考えたことないわ。それぞれ(Haim 以外の)プロジェクトでツアーに出ることもあるけど、いつだって帰ってくるべき自分たちのバンドがあるってちゃんと分かってるもの。
Q: 現在あるいは過去において、音楽的に大きな影響を受けたものは何ですか?
わたしたち両親が聴くものなら何でも聴いたの。ママはフォークやモータウンが大好きで、パパのお気に入りはファンクと The Clash。それにわたしたち LA 育ちでしょっちゅう車に乗っていたからいつもラジオを聴いていたの。90年代のガール・グループのアン・ヴォーグ(En Vogue)やデスティニーズ・チャイルド(Destiny's Child)も大好きで、ほかにも KIIS FM でかかる曲はみんな好きだった。
Q: Haim としての活動を初めようと決めたのはいつですか?
それまでわたしたちは曲なんか書いたことはなかったんだけど、ある日みんなで座って一緒に曲を作ってみたのよ。1曲書いてみたらそれがすごく楽しくて止まんなくなっちゃって、何曲かでき上がったら今度はライヴでみんなに聴いてほしくて我慢できなくなった。最初のギグは2007年の7月7日。門出にふさわしい日付よね。終わった後で、これこそわたしたちがやりたかったことだって確信したわ。
Q: Haim の本格的な活動開始に当たって乗り越えなくちゃならなかった一番の問題は何でしたか?
アラナ(Alana)がハイスクールを卒業するのを待たなくちゃならなかったこと!
Q: 曲はどうやって作るんですか?みんなで一緒に書くんですか?
曲は3人一緒、みんなでドラムを叩いて作るの。曲のアイディアはたいていドラムのビートから生まれてくるのよ。
Q: 現時点では3曲入りの EP がリリースされていますが、今後の予定は?アルバムのレコーディング予定はあるんですか?
今まさに作ってるところなの。
Q: ツアーをやっていて楽しいことは何ですか?あるいは嫌なことって何かありますか?
わたしたち、知らない土地へ行ってステージに立つの大好き。パパが言ってたけど、わたしたちのひいおばあちゃんはジプシーだったんですって。わたしたちが同じ場所にじっとしていられないのはきっとジプシーの血のせいね。ツアーで嫌なことなんて何もないわ。ヴェジタリアン向けの食事を見つけるのにちょっとだけ苦労するけど。
Better Off With HAIM: An Inside Look At Indie's Best New Trio
次のビデオは Haim の成り立ちを紹介したミニ・ドキュメンタリーなんですけど、自宅スタジオでのリハーサル風景のほか、パパ・ハイム、ママ・ハイム、三人がまだ子どもの頃の写真や映像も見られてすごくおもしろいよ。車の中で三人が「Go Slow」を歌うシーンがあるんだけどとってもいい感じ。いつも三人こうやって歌ってるんだろうな。
パパ・ハイム: 男の子が欲しくて3度もがんばったのに、うまくいかなかったんだ。だけどこれで良かった。すごく満足だよ。
うん、最高だよ、パパ・ハイム、ぐっじょぶ!