John Lydon 10, a photo by michaelz1 on Flickr. |
前作以来20年ぶりとなる PiL のニューアルバム「This Is PiL」のトラックリストが公式サイトで公開されました。次の12曲です。CD、アナログ同時発売ですが、アナログ盤は2枚組になるもよう。
- This Is PiL
- One Drop
- Deeper Water
- Terra-Gate
- Human
- I Must Be Dreaming
- It Said That
- The Room I Am In
- Lollipop Opera
- Fool
- Reggie Song
- Out Of The Woods
アルバムは新たに自己資金で設立したレーベル PiL Official からのリリースで、配給は Cargo UK Distribution が担当、5月28日の発売で、国内でも Amazon などで予約受付が始まっています。レコーディングは昨年、コッツウォルズにあるスティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)のスタジオ Wincraft Music Studios でおこなわれました。
収録曲のいくつかを、ジョン・ライドンが次のように紹介しています。
ええと、12曲あるんだけど、どれから始める?どの曲も紹介したいので迷うよ。まず「One Drop」だな、これは俺がフィンズベリーパークで過ごしたガキの頃のことを歌ったものだ。すばらしい曲だぜ! ハロー、俺たちはみなティーンエイジャーなんだ。それを忘れちまったわけじゃないよな! 年齢なんか関係ない、若くあれって歌だ。「Lollipop Opera」は美しいバックグラウンド・ノイズの一群さ。イギリスとその多様な文化を音楽で表現している。 「The Room I Am In」はドラッグと公営住宅での生活について歌っている。昔から変わらない、今なお続く悲劇さ。「I Must Be Dreaming」はわかるだろ、政治とか政治家に耐えるしかない現状を歌った曲だ。
知ってる人はもちろん知ってますが、知らない人はまったく知らないので、Public Image Limited、略称 PiL のメンバーを改めてご紹介します。
- ジョン・ライドン(John Lydon)
- セックス・ピストルズ(Sex Pistols)のヴォーカルでもあり、またの名をジョニー・ロットンと言います。1978年 PiL 結成以来のオリジナル・メンバーです。ビア樽みたいなお腹で、
前歯が1本抜けてるのに治さないし、ステージでは手鼻飛ばし放題なんですが、ものすごい声量で多少の音程の違いなんか屁ともしないで吠えまくる、世界最高のヴォーカリストです。 - ルー・エドモンズ(Lu Edmonds)
- セカンドアルバム「Music for Pleasure」時期のダムド(The Damned)に参加していたギタリストで、1986年に PiL に加わりアルバム「Happy?」のレコーディングに参加しました。その後、持病の耳鳴りが理由で一時脱退したのですが、2009年のツアーで PiL に復帰しました。普通のギター以外にエレクトロ・サズやバンジョーを改造した楽器などを用いて、他に類を見ないユニークなサウンド空間を創り出します。PiL 以外にミーコンズ(Mekons)やレ・トリアボリーク(Les Triaboliques)などのメンバーとしても活躍しています。
- ブルース・スミス(Bruce Smith)
- ザ・ポップグループ(The Pop Group)やスリッツ(The Slits)などでドラムを担当し、ロックやジャズ、ファンク、レゲエ、アフリカ音楽などを融合したいわゆるミクスチャーなドラミングの先駆者です。やはり1986年に PiL に加わり、アルバム「Happy?」と「9」のレコーディングに参加、2009年のツアーで PiL に復帰しました。
- スコット・ファース(Scott Firth)
- 2009年に新たに加わったメンバーで、スティーヴ・ウィンウッドやエルヴィス・コステロ、スパイスガールズなどのレコーディングやツアーに参加していたという、他の PiL メンバーとはちょっと違う経歴の持ち主ですが、Religion の演奏で破壊的ベースサウンドを出しているのがこの人です。PiL では主にベースを担当しているのですが、女性ベーシストのヨランダ・チャールズ(Yolanda Charles)と一緒にやっているザ・ディープ・モー(The Deep Mo)というバンドではギターを担当しています。
(2012/04/21訂正) 90年代後半から抜けたままになっていたジョンの前歯は最近インプラントを入れて治したそうです。ビデオを見直して確認すると、本当に前歯が揃ってます。