John Lydon a.k.a. Johnny Rotten, a photo by Joao Friezas on Flickr. |
8月の日本でのコンサートを最後に今年のツアーを終了した PiL は、それまでツアーの合間に断続的におこなっていたレコーディングに復帰し、アルバム作成を完了したもようです。ジョン・ライドン(John Lydon)はトロント映画祭に行ったときのインタビューで「トータル6週間のレコーディングで12曲を録音した」と言ってました。ね、言ったでしょう。レコーディング直前に詩の10曲や20曲が燃えたところで、今のジョンと PiL にはそれをものともしない勢いがあるんですってば。
で、次の問題はどこのレコード会社と契約し、いつリリースされるかですが、オフィシャル・サイトのニュースによると「新しいスタジオ・アルバムが完成したが、リリースは来年」とのことです。
「うーん、年内のリリースはないのか、残念。レコード会社、まだ決まらないのかなあ。PiL くらいのネーム・バリューがあれば、いくらでも他のレコード会社からオファーがあると思うけどな。でなきゃさっさと自分のレーベルを立ち上げてリリースできるはずなのに、なぜそうしないんだろう?」って誰もが思いますよね。でも現実はそう簡単ではないみたいです。調べてみたら、去年おこなわれたジョンのインタビューでこんなのが見つかりました。
ツアーのセットリストには新曲が一曲もない。これはバンドがいまだ古いレコード会社との契約に縛られているためだ。
「(新曲を演奏することで)レコード会社から権利がどうこう訴えられるような状況にしたくないんだ。」Punk rocker John Lydon has plenty of attitude to spread around
他のインタビューでは「新曲はやらないんですか?」という質問に対し「PiL は今までさんざん色んなところでパクられてきたからな。レコードを出すまでは演りたくないんだよ。」などとトボケていましたが、実はこういう事情があったんです。ヴァージン・レコードとの契約が継続しているため、移籍などによってヴァージンとの関係を絶ち切らない限り、勝手にレコードをリリースできない。もし新曲を発表すれば自動的にその権利をヴァージンに渡してしまうことになる、というのが真相みたいです。
ConcertLive から出ているところを見ると、古い曲を演奏したライブ CD のリリースについては契約に引っかからないみたいです。とりあえずファンとして力になれるのは、最新のライブ CD を買うことぐらいしかありません。「Live At The Isle Of Wight Festival 2011」、みんなで買いましょう。現時点での最高傑作です。CD の国内発売は遅れて10月になるそうですが、MP3 ダウンロード版は9月19日から販売が始まってます。余裕のある人は両方買っちゃってかまいません。
一方、ジョン以外のメンバーの動きですが、ルー・エドモンズ(Lu Edmonds)はレ・トリアボリーク(Les Triaboliques)としての活動を再開、ブルース・スミス(Bruce Smith)はポップ・グループ(The Pop Group)として ATP America の I'll Be Your Mirror への出演が決まっています。