And this is my quizzical face..., a photo by tortipede on Flickr. |
マガジン30年ぶりのニューアルバム「No Thyself」、日本やイギリスは予定通り先週発売になりました。iTunes Store でのダウンロード販売も始まってます。具体的にどれくらい売れているのかはわかりませんがレーベルの予想を上回る売れ行きの様子で、Amazon UK や Amazon Japan では一時的な品切れとなっており、予約したのにまだ入手できてない人も結構いるようです。マガジンのポップでキャッチーなメロディ、陰鬱できもちわるく、わけのわかんないユーモアに溢れたサウンドと歌をみんな待ちわびていたんですね。
肝心の内容のほうですが、デジタル・レコーディング技術を駆使した現代的な音の肌触りでありながらも、古くからのファンが聴けばすぐに「ああ、マガジンだ!マガジンに間違いない!これがマガジンでなくて何がマガジンだ!」と感じられる仕上がりなってます。たとえば「Other Thematic Material」は「The Correct Use of Soap!」を連想させる軽快でダンサブルなナンバーで、踊りながら一緒に歌いたくなってしまうのですが、歌詞は人前で歌うとかなり差し支えのある内容になっています。また「Physics」は本アルバムの目玉といえる曲ですが、なぜか突然 Booker T. & the MG's なサウンドです。思わず「きみらはいつから忌野清志郎になったんだ?」とツッコミを入れたくなります。
さて、30年経っても変わらないマガジンのきもちわるさは、ヴォーカルを担当するハワード・ディヴォート(Howard Devoto)の声、歌詞、そしてルックスやしぐさによるところが、かなり大きなウェートを占めます。年をとって髪が完全になくなり、顔が丸くなったことでさらにその迫力が増しています。彼の大きくてぐりんとした目は、いつも笑っているようにも見えるし、ぜんぜん笑っていないようにも見えます。無表情かと思えば、この上なく表情豊かにも見えます。
怒ってるんだか、悲しんでるんだか、笑ってるんだかわからない。聴くほうも深刻な顔をすればいいのか、笑っていいのかよくわからないんだけど、何だかすごくきもちわるくて、きもちいい。それがマガジンの歌です。
ぼくのいやみなところが光ってる
ぼくの優しさが悲鳴をあげている
あんたもそうなりそう?
本当に家に帰るつもり?ぼくの優しさといやみなんて、この程度
歌のリフレインなんて、そんなもの
何か音を鳴らして、ぼくが歌えるようにしてくれお願いだから、ぼくに近寄らないで
清潔な拘束衣の中で、ぼくに歌わせて
すばらしい作曲家だけど、残念賞しかもらったことがない
でもあんたは誘惑の眼差しを向ける
ぼくらが逃げ出すのを望んでる?
あんたはぼくの邪魔ばかりしているのにぼくの優しさといやみなんて、この程度
歌のコーラスなんて、そんなもの
何か音を鳴らして、ぼくが歌えるようにしてくれさあ世界へ飛び立とう
感動的な真実に圧力をかけよう
あらゆるところから未来へ向けて
性器から脳みそへ向けて
ぼくらが元いたところへさあ世界へ飛び立とう
感動的な真実に圧力をかけよう
ぼくらはあらゆるところから未来へ向かう
膨らませ、けば立たせるんだ
ぼくのいやみなところが光ってる
ぼくの優しさが悲鳴をあげてる
ぼくらが逃げ出すのを望んでる?
あんたはぼくの邪魔ばかりしているのにぼくの優しさといやみなんて、この程度
歌のコーラスなんて、そんなもの
何か音を鳴らして、ぼくが歌えるようにしてくれ