2013/10/17

ジョン・ライドンが BMI London Award 2013 の BMI Icon 受賞

「俺はアイコンなんかじゃない、ジョニーキャン、アイキャンだ」

10月15日、ロンドンで2013年 BMI London Awards の授賞式が開催され、我らがジョン・ライドンが BMI Icon 賞を受賞しました

「BMI、何それ?デブの人のベストドレッサー賞?」と思う人がいても無理はないんですが、違うの。BMI ってのは Broadcast Music, Inc. の略で、音楽が放送やコンサートでの使われたときの著作権使用料を徴収するアメリカ本拠の非営利団体です。日本でいえば JASRAC みたいなもんです。

で、BMI Icon 賞ってのは「ある世代の他の音楽家たちに多大な影響を与えた類い稀(たぐいまれ)なソングライターに与えられる」もので、これまでにレイ・デイヴィスやヴァン・モリソン、ブライアン・フェリーなど錚々(そうそう)たる面々が受賞しています。ジョン・ライドンはそのような「ソングライター」のひとりとして選ばれたわけです。

以前 Rock and Roll Hall of Fame にセックス・ピストルズが選ばれたときは「俺たちがロックの殿堂入りを喜んで、2万5千ドルも払ってディナー・パーティに出席すると思ってんのか、バーカ」と言って授賞式に出なかったんですが、今回はたいへん喜んでいて UK ツアーの最中にも関わらず PiL のメンバーや妻のノラと一緒に出席しました。

審査員たちはほかの無難なやつを選んどけばいいものを、あえて俺の業績に注目してくれたんだぜ。俺からすれば、それがすごく大切なことなんだ。

俺は賞なら何でももらうってタイプの人間じゃない。この賞をもらうことにしたのは、それが俺にとってものすごく意味のあるものだったからさ。

あいつら(BMI)は俺たちに金が入るように日夜戦ってくれてるんだぜ。胸がアツくなるよ。

John Lydon honoured at BMI Awards

著作権といえば、普通バンドとして活動している場合でも著作権者としてクレジットするのは直接作詞や作曲に関わったメンバーの名前だけです。これがメンバー間の収入の差となって、後々関係がギクシャクするというのはよくあることです。

セックス・ピストルズやジョン・ライドンがそれまでの常識を破って始めたことは山ほどあるんですが「レコーディングに関わったメンバー全員の名前をソングライターとしてクレジットする」というのもそのひとつです。ピストルズがレコードを出した当時そんな例はほとんどなかったもんだから、みんなレコードを見て「あれ?曲のクレジットにメンバー全員の名前が書かれてる!」って驚いたものです。

後続のパンク・バンドもこぞってこれを真似したんですが、その意味を理解したのはずっと後になってからのはずです。今ではジャンルを問わず、色んなバンドが曲のクレジットにメンバー全員の名前を載せるようになりました。こんなところでも、後のバンドに大きな影響を与えてるんですよ、ジョン・ライドンという人は。

BMI のサイトでは著作権者のクレジットが検索できるようになっていて、たとえばシド・ヴィシャスがベースを弾いている「Bodies」という曲にはちゃんと本名の John Simon Beverleyでソングライターとしてクレジットされていることが分かります。今でもこの曲がラジオなどで流れる度に彼(の遺族)にお金が入るわけです。

ところで BMI 授賞式のニュース、NME を始めイギリスの商業音楽サイトにはなぜかほとんど取り上げられていません。同じイギリスでも先のインタビューを掲載した Evening Telegraph など一般のニュースサイトでは報じられているのに、商業音楽ニュースサイトはほぼ無視です。

理由はよくわかりませんが、どうやら BMI がアメリカ本拠の団体なのでイギリス音楽ギョーカイ的には取り上げたくないみたいですね。アメリカの著作権管理団体なのにロンドンにも拠点を置いて BMI London Award みたいに派手なイベントをやってるわけです。音楽著作権流通のグローバル化を見据えてイギリスでもアピールしたい BMI、「ここは俺の縄張りだぞ、入ってくんな!」というイギリス側、という構図なんじゃないかな。知りませんけど。

一方のアメリカ側は Rolling Stone が BMI Icon 賞、授賞式直前インタビューを掲載しています。

2013/09/20

俺のことなど世界中誰ひとり憶えていない (サーチ・アンド・デストロイ - イギー・アンド・ザ・ストゥージズ)

Iggy Pop, a photo by Elisa Moro on Flickr.

1960年頃から1975年にかけて、南北に分裂したベトナム間で起った長期かつ大規模な武力衝突がベトナム戦争です。北ベトナムをソビエト連邦を中心とする共産主義国が、もう一方の南ベトナムはアメリカを中心とする資本主義国が支援したため、共産主義対資本主義の代理戦争とも呼ばれていました。この戦争でアメリカは南ベトナムを物資面で支援するだけでなく、自国の兵士を大量にベトナムに派遣、参戦しました。

北ベトナムのゲリラ軍は森林に潜んでいました。つまり船や戦車で彼らを攻撃することはできません。そこで用いられたのがヘリコプターを使って先ず偵察隊を森林地帯に送り込んで敵を見つけ出し、地上から攻撃すると同時に飛行機からナパーム弾などを投下して焼き払うという戦法です。これがサーチ・アンド・デストロイ (Search and Destroy)作戦です。ちなみにこの当時、ヘリコプターというのは最新の軍事テクノロジーでした。

しかしこの作戦は失敗に終わりました。北ベトナムのゲリラ軍は地の利に長けており、森林に潜むゲリラ兵士は民間人と見分けがつかなかったからです。結果的に北ベトナムの民間人だけでなく、アメリカ軍にも大量の犠牲者を生み出す結果となりました。このあたりの様子は後に「地獄の黙示録」などの映画にも描写されています。

イギー・アンド・ザ・ストゥージズ(Iggy and The Stooges)が「サーチ・アンド・デストロイ」を含むアルバム「ロー・パワー (Raw Power)」をレコーディングしたのは1972年、イギー・ポップ(Iggy Pop)が25歳のときです。当時のアメリカは徴兵制を実施していましたから、彼もまたいつベトナムへ送り込まれるか分からない若者のひとりでした。結果的にイギーがベトナムへ行くことはありませんでしたが、彼と同世代の若者が大勢ベトナムへ行き、それっきり帰って来られなかった者は数万人に及びました。

ベトナム戦争は歴史上、若者を中心に世界的な反戦運動を引き起した初めての戦争でもありました。ジョン・レノンを始め、ポップ・スターたちが直接的な反戦メッセージを口にしたり、歌うようになったのもこの頃からです。

一方、イギー・アンド・ザ・ストゥージズのアプローチはこうした「愛と平和」タイプのものとはまったく異なるものでした。友人たちがベトナムのジャングルの中をさまよっているとき、ジェイムス・ウィリアムスンはまるでヘリコプターからの機銃掃射のようなサウンドをギターで鳴らし、イギーはステージの上で男性ストリッパーさながら裸で身をくねらせ「俺を撃ち抜いてくれ!」と叫んでいました。

1973年1月に和平協定が成立しアメリカ軍はベトナムから撤退、同時に徴兵制も廃止されました。アルバム「ロー・パワー」がリリースされたのはその翌月のことです。当時このレコードはまるで売れず、間もなくストゥージズも解散してしまいました。当時の世の中にはストゥージスを受け入れられる人がまだ少かったんです。

ジェイムス・ウィリアムスンがギタリストとして復帰、イギー・アンド・ザ・ストゥージズが復活したのはそれから36年も後の2009年のことでした。そしてイギーは今もこの歌を歌う度、ひとりジャングルをさまよっています。

俺は胸にナパーム弾を詰め込んで街をうろつくチーター
原子爆弾から生まれた家出息子
俺のことなど世界中誰ひとり憶えていない
サーチ・アンド・デストロイ作戦の遂行者

お願いだから俺を助けてくれ
誰か俺の魂を救ってくれ
俺を爆破してくれ

気を付けたほうがいい、俺は最新のテクノロジーを駆使してる
言い訳してるヒマなんかない
真夜中に魂が発する放射能
銃撃戦の最中(さなか)の愛

お願いだから俺を不意打ちしてくれ
誰か俺の魂を救ってくれ
俺の心を射ち抜いてくれ

俺のことなど世界中誰ひとり憶えていない
サーチ・アンド・デストロイ作戦の遂行者
俺は世界中から見捨てられた男
ひとりサーチ・アンド・デストロイ作戦を遂行してる

2013/07/04

もしわたしが気を失ったらきっと誰かがマウスツーマウスで人工呼吸してくれるわよね (Haim Live at Glastonbury)

HAIM - Falling at Glastonbury 2013

先週末開催されたイギリス最大の音楽フェスティバル、グラストンベリー・フェスティバルのステージにハイム(Haim)が登場しましました。しかもいきなりメインのピラミッド・ステージです。さらに別の日にパーク・ステージでもプレイするというまさかの2ステージ、まだアルバムも出していないアメリカの新人バンドがこのような待遇で招かれるのはおそらく今までになかったことだと思います。

ところが初日、金曜のピラミッド・ステージでとんでもないアクシデントが発生しました。ベーシストのエスティ(Este)姉ちゃんが危うく死にそうになったというのです。

もう少しで死ぬところだったのよ。実はわたし糖尿病なんだけど、とってもお利口さんな糖尿病患者なもんだからステージの前に食事を取らなかったのね。そしたらステージが始まって時間の真ん中くらいのところで腕の感覚がなくなってきたの。「ヤバい、これ普通に演奏できるような状態じゃない」って思った。

最後の方はもう目の焦点も定まらなくて、ステージを降りなくちゃならなかったの。だって2万5千人の観客の目の前で死ぬわけにいかないでしょ。

Haim At Glastonbury - Este Almost Fucking Died

糖尿病というと「太った中年のおっさんがかかる生活習慣病」というイメージを持ってる人が多いかもしれませんが、若くしてかかるこの病気は自己免疫疾患のひとつです。ハードスケジュールがたたったのでしょう。どうやらエスティ姉ちゃん、ステージ上で糖尿病性ケトアシドーシス症状に陥ってしまったようです。

ステージ後半は耐えられなくなって椅子に座り、朦朧とした状態で演奏を続けたんですが、そんな状態で観客に向けてこんなことを言ってたそうです。

ここにはすてきな人たちがたくさん来てるから、もしわたしが気を失ったらきっと誰かがマウスツーマウスで人工呼吸してくれるわよね。

HAIM’s Este Haim Taken Ill During Glastonbury Set

病気で苦しい、つらいというときはまわりの元気な人がひどく憎らしく見えるものです。ましてフェスで大騒ぎしている観客ならなおさらです。だけど「ヤバい、これマジ死ぬかも」というときにこんなセリフの言えるエスティ姉ちゃん、やはり只者ではありません。みんなも見習いましょう。

エスティの体調がと心配になった人も多いと思いますが大丈夫です。前述のインタビュー・ビデオでは元気にジョークを飛ばしてるし、翌日のパーク・ステージのビデオはこちら。ほら、いつものエスティ姉ちゃんでしょ。

2013/06/07

「死ぬ覚悟はできている」そう言ってじじいたちは立ち上がった (Ready to Die - Iggy and The Stooges)

Iggy and The Stooges - Ready to Die

唐突ですがここでひとつ、世界中の若い人たちが気付いていない重大な事実をお知らせします。人はみな誰でも年を取ります。肉体がだんだん衰えて、やがて死に至ります。

そんなの嘘だ、俺に限って年を取ることなんて絶対ない。そう思ってる人も多いことでしょう。今のあなたには信じられないことでしょうが、まぎれもない事実です。

年を取って肉体が衰えてくると、以前はよく見えてはずのものがだんだんよく見えなくなってきます。ちゃんと聞こえていた音が聞こえなくなってきます。何か言おうとすると咄嗟に言葉が出てこなくなったり、身体のあちこちがひっきりなしに痛むようになってきます。新しい言葉や名前がなかなか憶えられなくなってきます。以前は歩いて行くのが当り前だった所が、遠くて辿り着くことが困難な場所に思えてきます。いつでも来ようと思えば来られた場所が、ああここに来るのももう最後なのかなと思えてきます。

健康に気を付けて身体を鍛えていれば衰えも緩やかになる?うん、そうかもしれません。だけど若い時代の「身体を鍛える」という行為は「今日の自分より明日の自分のレベルを上げる」ためのものです。一方年を取ってからのそれは「今日の自分のレベルを明日も何とか維持する」ためのものです。それもやがて「今日より明日の自分のレベルが下がってしまうのは仕方ないけど、その下がり方をなるべく少なくする」ための鍛錬になってきます。それに無理をして怪我などをするとなかなか直りません。若いうちは骨折したってすぐに直って、怪我をしたことすらすぐに忘れてしまいますが、年を取ってからの骨折は完全に回復することなく、いつまでも痛みを抱え続けることになります。

以前は何ということのなかったこと、当り前にできていたことが自分ひとりではできなくなる。年を取るというのはそういうことです。

30年近くもの長い間、ソロ・シンガーとして活躍してきたイギー・ポップ(Iggy Pop)が大昔に解散したバンド、ストゥージス(The Stooges)を再結成したのは2003年、イギーが56歳の頃です。もちろん本人はそんなこと言ってませんが、おそらくは自分ひとりの力に限界を感じ、頼れる仲間を求めてのことだったのだと思います。

そしてそのストゥージズ再結成からさらに10年が経ちました。イギーは今年66歳です。この10年の間にストゥージズのギタリスト、ロン・アシュトン(Ron Asheton)が亡くなりました。ドラマーのスコット・アシュトン(Scott Asheton)も2011年に倒れ、現在もツアーには復帰できていません。同じ頃イギー自身も左足を骨折しツアーをキャンセル、その後今も足を引き摺りながらステージに立っています。

そんな中でこの4月末、ニューアルバム「Ready to Die」がリリースされました。イギーのアルバムと考えれば前作「Après」からわずか11ヶ月ぶりですが、ザ・ストゥージズのアルバムとして考えれば「The Weirdness」から5年ぶりです。ジェイムス・ウィリアムスン(James Williamson)がギターを担当するイギー・アンド・ザ・ストゥージズのアルバムとして考えれば「Raw Power」以来、実に40年ぶりのリリースとなります。

イギーを始め、現在のストゥージズの面々、どこからどうみても肉体の衰えが明白なじじいたちです。そこまでしてなぜステージに立ち続けるんでしょう?

それはきっと世界を救うためだと思います。

落ち込んでいく気持ちを抑えられない
陰鬱な自分が嫌でたまらない
俺は死を覚悟で
高望みしてやる

しょぼくれた街が俺を落ち込ませる
しかめ面で過ごすのは快適だぜ
俺は死を覚悟で
高望みしてやる

この薄っぺらな皮膚の下には怒りが詰まってる
俺がこの世界に厳然たる判決を下してやる
俺は死を覚悟で
高望みしてやる

ライヴ映像が観たいという人は以下をどうぞ。

NPR Misic: Iggy & The Stooges, Recorded Live At (Le) Poission Rouge
2013年4月28日、アルバム「Ready to Die」からの曲を多数披露した発売直前特別ライヴ。
Moshcam: Iggy & The Stooges Live in Sydney
シドニーでのライヴ。2013年4月2日におこなわれたコンサートのフル映像。アルバム発売までまだ約1ヶ月あったためか、新曲は「Burn」1曲のみ。ただし Kill City や Johanna などジェイムス・ウィリアムスンとの共作曲を多数演ってます。

2013/05/25

どうしてそんなものが今聴こえてるんでしょう? (The Number One Song in Heaven - Sparks)

Two Hands One Mouth: エクトプラズム吐いてます

この3月に発売されたスパークス(Sparks)のニューアルバム「Two Hands One Mouth」は彼らの約40年に及ぶキャリア、通算23枚目にして初めてのライヴ・アルバムです。2012年の秋から始まったアルバムと同名のツアーでのパフォーマンスをライヴ録音、約1時間半、全21曲が収録されています。

電子楽器を使ったダンス音楽のオリジネーターとして知られているスパークスですが、今回のツアーはロンとラッセルのメイル兄弟だけで、バンドはいません。ロンの二本の手によるキーボード演奏、そしてラッセルの口から出てくる歌声、それだけです。だから Two Hands One Mouth なんです。

「ああ、アコースティック編成のいわゆるアンプラグドねー」と思う人が多いでしょうが、そう言うとスパークスの二人は「そんなんじゃないっ!」って怒ります。一見温和に見えますが、そういう頑固なところのある二人です。そうじゃないと40年もずっとやってこられません。

ロン・メイル: (Two Hands One Mouth ツアーを実現するに当たって)最も大変だったのは、もちろんバンドを使わずにキーボードだけで曲を演奏しなくてはならないということだよ。だからといって、いわゆるシンガーソングライターのステージみたいにはしたくなかった。穏やかな調子で「次はぼくが1987年に書いた曲です。聴いてください」なんてのは真っ平だからね。我々は攻撃的な調子を保ったままでこれを実現したかったんだ。キーボードと歌だけでうまくいく曲を選び、キーボードでの演奏内容を見つけ出していった。(バンドなしの状況では)いつもと同じキーボード・パートを弾くわけにはいかないからね。新たなものが必要だったんだ。

ラッセル・メイル: 「つまりアコースティックなツアーをやるってことですね」って受け止める人もいたよ。ぼくらは別にアコースティックを軽蔑してるわけじゃないよ。アコースティックって言葉につきまとってるイメージが嫌なんだ。シンガーソングライターが訥々と語り、自らの魂を露わにしていく... みたいな。ぼくらはスパークスの強靭さ、突進力とかパーソナリティを保ったまま、それを二人だけで実現する方法を見つけたかったんだ。

ロン: 往々にして我々は曲よりもスタイル重視のバンドと思われがちだからね。我々の曲は伝統的な楽曲とは違うけど間違いなく音楽なんだって、今回のやり方はそれを知ってもらういい機会になるかもしれない、そう思ったんだ。

ラッセル: 歌詞はオリジナルから変えてはいないんだけど、声とキーボードしかないせいで、違って聴こえるかもしれない。スタジオのレコーディングでは歌詞がバックの音に埋もれてしまうことがしばしばあって、歌詞の意味がわかりにくくなってしまうんだ。だけど今回のツアーでは歌詞が目立って聴き取りやすくなってるはずだよ。

INTERVIEW: Sparks

ということですので、スパークスの強靭さ、突進力を感じ取るため、このアルバムは大音量で聴くことをお勧めします。

さて、次に紹介するのはこの Two Hands One Mouth ツアーの映像です。1979年、天国でナンバーワン・ヒットとなった曲です。きみにはこのステージに立つ二人の変なおじさんたちの背中に羽があるのが見えるかな?

これは天国のナンバーワン・ソングです
万能なる御手(みて)によりつくられた曲です
天使たちはみな主の囲いの中にいる羊です
彼らは主とそのおぼしめしにしたがうのです

これは天国のナンバーワン・ソングです
どうしてそんなものが今聴こえてるんでしょう?
それはたぶん
きみは自分が思ってるよりずっと
ここに近づいているせいじゃないかな
きみが望んでいるよりずっと
ここに近いところにいるせいじゃないかな

2013/05/13

Haim のアルバム・リリースはまだ少し先になりそうです

Haim @ Stubb's for SXSW
Haim @ Stubb's for SXSW, a photo by ConcertTour on Flickr.

フジロックへの出演でいよいよ初来日が決まった Haim、デビュー・アルバムは5月くらいに出るんじゃないかという噂だったのですが、まだもうちょっとかかるみたいです。この5月後半、ヴァンパイア・ウィークエンドのサポートとして予定していたツアーをキャンセルしてアルバムを仕上げるという Tweet が流れていました。

そうするとアルバム発売は来日には間に合わない可能性大だなあ。まあ出来ていないものはいくら出せって言っても出て来ないので、おとなしく待ってるしかありません。それでなくても Haim、今ものすごく忙しいんですよ。こっちのツアー日程見てわかる通り、イギリス、ヨーロッパと北米を入ったり来たり、8月末まで目いっぱいライブが詰まってます。

今でこそ注目の新人バンドとして大忙しの Haim ですが、その名前が知られるようになったのは、わずか1年ほどのことです。まずは次のヴィデオをご覽ください。昨年の春、SXSW での Haim のステージです。

Haim のステージそのものは今と変わりありません。だけど観客は嘘みたいにまばらです。ジャイアンの空き地リサイタルほどの人数しかいません。ステージ真正面で写真を撮った後、演奏途中で立ち去る無礼な女が腹立たしいです。

続いて今年の SXSW です。ステージ上の Haim は去年と変わらぬマイペースです。なのに観客はどうしてここまで違うんだ?この観客はどっから湧いてきたんだ?というくらいの勢いです。

ということで教訓。有名、無名にかかわらず、素晴しい音楽やそのプレイヤーにはちゃんと敬意を持って接しましょう。去年の SXSW Haim のステージ途中で立ち去ったあの女性は今頃、天罰がくだっているに違いありません。

(2013/06/18追記)その後のインタビューによると、アルバムの発売は夏の終わりになるそうです。9月くらいかな?

2013/05/11

パンクってのは愛のことだ! (Public Image Ltd Live in Sydney)

PiL Sydney Concert

みなさんお待ちかね、先月4月10日にオーストラリアのシドニー、エンモア・シアターでのパブリック・イメージ・リミテッド(Public Image Ltd)のライヴ映像が Moshcam で公開されました。全17曲、2時間強のライヴすべてがおうちで誰もが無料で観られるんです。しかもその映像と音は、共にこれまでの PiL のライヴ・ヴィデオの中でも最高の品質なんです。これを幸せと呼ばずに何と呼びましょう。

3月末から始まった今年の PiL ツアー、オーストラリアは中国、日本に続いて3カ国目です。PiL が最後にオーストラリアでコンサートをしたのは1989年のことですから、実に24年ぶりのオーストラリアということになりますが、映像を見てわかる通り、前回のコンサートのときにはまだ生まれていなかったような若いファンもたくさん集まっています。

ついでなんでこの Moshcam というサイトについて説明しておきましょう。Moshcam は様々なアーティストのコンサートをインターネット上で配信しているオーストラリアの会社です。2007年の設立で、最初はもっぱらシドニーでのライヴを撮影して配信していたんですが、どんどん勢力を伸ばして最近はロンドンやニューヨークなど他の都市でのライヴまで配信するようになっていて、数百本の高品質ライヴ映像を無料で配信しています。日本にはなかなか来ないようなバンドのライヴもここで観られます。

だけどそんなことしてこの会社はどうやって稼いでるんだろう?すみません、その内情はよく知らないんですけど、どうやら Goole TV や hulu などにコンテンツを販売して利益を得ているみたいです。このためよくある映像サイトみたいにうるさい広告に煩わされることがありません。

しかしちょっと前までは時間帯によって映像や音が途切れたりすることがよくあったんですが、最近コンサート映像を moshcam.com のほか YouTube でも提供するようになって負荷が分散されたためか、ネットワークの回線面も改善されてきたようです。

ということで PiL のライヴは moshcam.com と YouTube、どちらでも好きな方を選んで楽しむことができるのですが、若干使い勝手に違いがあります。moshcam.com の方は広告が入らないし、曲と曲の間の切り替わりがスムーズなのでコンサートを通して楽しみたいときにはお勧めです。ただし Flash が使われているため iPad や iPhone では観られません。一方の YouTube は iPad/iPhone も大丈夫で回線に合わせて映像品質を選べるのがメリットなんですが、曲毎にぶつぶつ途切れることと広告がうるさいのが欠点です。

私はまだ試していないんですが、iPad/iPhone には専用のアプリが用意されているので、そっちを使った方が快適かもしれません。

PiL のコンサート内容については観ていただければわかります。あえて説明はいたしません。お楽しみください。ジョニー・アンド・ザ・ボーイズ、渾身のライヴです。ジョニーの「パンクってのは愛のことだ! (Punk is Love!)」という言葉で幕を開けます。