Johnny Rotten Butter ad on the Tube, a photo by Annie Mole on Flickr. |
先日の火事のニュースで「PiL(Public Image Ltd)のニューアルバム、大丈夫なのかな」と心配していた方、問題ありません、大丈夫です。制作は着々と進行中です。レコーディング中のスタジオでおこなわれたジョン・ライドンのインタビューが先日 BBC ラジオ 6 Music で放送されました。放送では3分ほどに編集されていたのですが、放送時カットされた部分を含む6分ほどのインタビューが公開されています。
レコーディングはスティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)の Wincraft Music Studios でおこなわれています。コッツウォルズにある石造りの民家納屋を改造した、まさにブリティッシュ・カントリーサイドなスタジオです。スタジオでリハーサル中の写真が PiL オフィシャル・サイトに掲載されています。リハーサル用の部屋かと思うかもしれませんが、これがメインのスタジオ・エリアです。Wincraft Music Studios の Web サイトに同じ部屋の写真が載ってます。ジョンは建物の石壁によって作り出されるドラムの残響音が大いに気に入ってるそうです。
スティーヴ・ウィンウッドはこのスタジオを安く提供してくれたんだ。すごく感謝してる。最新式の設備が揃ってるわけじゃないがエレクトロニカじゃあるまいし、そんなもの必要ない。PiL はライブバンドだ!ライブに演奏して、ライブに録音する!
聞きました?今や PiL はライブ・バンドなんですよ!2009年末から続く数多くのコンサートで毎回2時間以上歌い続けて得た自信がこの発言につながってるんでしょうね。ツアーのサウンドを担当してるエンジニア、ウォルターがそのままレコーディング・エンジニアとして参加しているとも言ってます。
あらかじめ用意していた詩はぜんぶ火事で燃えてしまい、記憶の中のイメージを思い出しながら新たに書き起こさなければならないそうですが、逆にその切羽詰まった状況をエンジョイしてるとも言ってます。まったく心配ありませんね。いつものように、レコード会社の支援なしに自分たちの力でこのレコーディングまで漕ぎ着けられたことをアピール、「俺にチャンスをくれてありがとう、バター!」とバターに対する謝辞も忘れていません(意味がわかんない人はこっちの記事を参照)。
もうずいぶん長いこと音楽業界にいるが、俺にちゃんと敬意を持って接してくれたのは、レコード会社じゃなくバター会社の人たちだけだった。
ジョニーは一生この恩を忘れないぜ!ということで本日紹介するのは(今のところ) PiL 最大のヒット曲「This Is Not A Love Song」です。だけどこの曲がラブソングじゃないとすれば、いったいこの世のどこにラブソングというものがあるんでしょう?
これはラブソングなんかじゃない
持てる者には幸福がもたらされ
持たぬ者には何もない
ビッグなビジネスにはアタマが必要
俺は自由競争社会に飛び込むこれはラブソングなんかじゃない
俺は競合相手の側に鞍替えする
持てる者には幸福がもたらされ
持たぬ者には何もない
ビッグなビジネスにはアタマが必要
俺がいるのは、自由競争社会の真っ只中俺は柔軟だ
俺は柔軟、要領がいいから
この新しい役目がお気に入り
益々いい感じだ
目標も変わった
投資先が変われば、俺も行く先をコロコロ変えるこれはラブソングなんかじゃない
蝋燭を手に取れ、準備はいいか
あのトンネル・ヴィジョンの先だ
コメディ番組のことじゃない
背後から操れ
秘密をバラせ
ビッグな世界で成功するには
始発列車に乗らなくちゃならないだが果たして
俺はきみを見つけられるだろうか
きみはそこにいるのだろうか