Johnny Rotten PIL, a photo by .noir photographer on Flickr. |
先週末に UK 音楽誌 MOJO 主催の MOJO Honours List 2011 の授賞式が開催され、我らが PiL(Public Image Ltd.) も Outstanding Contribution to Music というのを受賞、ジョン・ライドン(John Lydon)が授賞式に出席しました。
この MOJO Honours List というやつは読者の年齢層が高いためでしょうね、今売れてる旬のアーティストよりも、実績のあるベテラン・アーティストが多く受賞することで知られてまして、今回もリンゴ・スター(Ringo Starr)、ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)、エディー・フロイド(Eddie Floyd)、スティーブ・クロッパー(Steve Cropper)など、ええと今年は1969年でしたっけ?という顔ぶれが並んでいます。
ジョン・ライドンは2008年にもセックス・ピストルズ(Sex Pistols)で Icon Award を受賞していますが、今回は PiL としての受賞です。受賞した Outstanding Contribution to Music というのは日本語にすると音楽功労賞ってとこかな。歴代の受賞者を調べてみるとシガー・ロス(Sigur Rós)、ポール・ウェラー(Paul Weller)、ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)っておいおい、賞を授ける順番完全に逆転してるんじゃねえの? PiL が真っ先に来るはずだろうって感じですが、まあ2009年末まで長らく休止状態だったバンドなので良しとしましょう。
プレゼンターは豪華絢爛、ホークウィンド(Hawkwind)のデイヴ・ブロック(Dave Brock)、レインコーツ(The Raincoats)のアナ・ダ・シルバ(Ana da Silva)とジーナ・バーチ(Gina Birch)の3人です。デイヴが「ええっとスピーチの原稿は...犬のビスケット?こりゃ買い物リストだった」とベタなギャグを飛ばし、アナとジーナが(ジョンのお尻の穴がむずむずするような)賛辞を述べた後でジョン・ライドン登場です。着ているジャケットがとてもお洒落です。ところがジョンはデイヴから受け取ったトロフィーをいきなり床に放り投げてスピーチを始めます。これまで PiL として活動していくことがいかに困難だったか、レコード会社や音楽業界は何のサポートもしないだけでなく、借金漬けにして足を引っ張り活動の邪魔をしてきたこと、友人(兼マネージャー兼ボディガード兼ヘアスタイリスト...)のジョン・ランボー(John Rambo)が PiL のメンバーと言って過言ではない貢献をしていることなどを話した後「イングランド、俺たちはあきらめない!俺たちの国は音楽で最高の国だ!」と締めくくり、最後にトロフィーを床から拾って帰ります。照れ屋さんなんでいつもこんな感じです。
以上が授賞式の模様なんですが、ニュースサイトなどで今話題になっているのはこの授賞式の後でジョンが話した内容です。BBC News には次のように書かれています。
俺がイタリアへのツアーでちょうどステージに上がろうとしていたとき、妻から電話があったんだ。「ジョン、あなたを動揺させたくないんだけど、家が燃えてしまったの」ってさ。ここ2年くらいロンドンの家には帰ってなかったんだが、久々に帰って掃除しようと考えていた矢先に火事になってしまったんだよ。
80年代前半から彼はずっとロサンゼルスに住んでいるためロンドンの家はずっと空家状態だったようなのですが、妻のノーラがいたということは、新作のレコーディングを機に生活の拠点をロンドンに戻そうと考えて準備していたところだったのかもしれません。火災の原因は台所にあった脱水機の故障だということですが、ノーラは怪我もなく無事だったそうです。またこの火災で PiL の新作用に書いた曲も燃えてしまったそうですがジョンはこう言ってます。
そんなの全然問題じゃない。(ノーラが無事だったことが)俺の人生最大の朗報だよ。
いつものおノロケです。まあジョンとノーラが無事なら曲の10曲、20曲燃えたところで心配ありません。家が燃えたためにまたお金も必要になるでしょうから、新作のレコーディングにさらに力が入ることでしょう。
Twitter を今 John Lydon で検索すると火事の話題だらけなんですが、その中で肝心な Tweet が見過ごされています。これです。
John Lydon is recording a new PiL album at Steve Winwood's studio; it should be ready by the end of the year. Interview in Monday's The Star
PiL の新作はスティーブ・ウィンウッド(Steve Winwood)のスタジオでレコーディング中。年内に完成予定。インタビューは月曜の The Star に掲載予定、とのことです。
(追記)別の記事には火災のときジョンがいたのはイタリアじゃなくてロシアだったって書いてありますね。被害は全焼ってほどでもないみたいで、早速修繕の始まった部屋に立つノーラの写真が載ってます。それからお約束のジョンのサービストーク「火災の原因は脱水機だ。出火当時中には俺のパンツが入ってたんだけど、難燃性の素材じゃなかったんだ。」ってのが。