2012/12/16

若くてエネルギー溢れる俺ときみが手を組んで、一緒に選ばれようじゃないか (Elected - アリス・クーパー)

20121120-DSC_9293-Edit
Alice Cooper, a photo by Scott Butner on Flickr.

アリス・クーパーが何十年も人気を保ち、第一線で活躍している理由というのはですねえ、いつまでも「きみと俺」という悩める青少年に語りかける姿勢を保ち続けているからだと思います。

そんで人というのは年をとっておじさん、おばさんになっても案外まだ「悩める青少年」なんです。まじめに悩めば悩むほど深刻になって、出口が見えなくなってくるんですけど、そんなときでもアリスはニヤりと笑って語りかけてくれるんです。「俺はきみから生まれたんだぜ」って。

ジョン・ライドンも言ってる通り、アリス・クーパーは世界をちょっとだけマシな場所にしてくれた偉人のひとりです。世の中を少しでもマシにしたいと思ってるなら、みんなもうちょっとアリス・クーパーを聴くべきだと思うよ。

俺は極上品、きみが選ぶのは俺しかいない
俺を当選させてくれ
俺は金のロールス・ロイスに乗った生粋のアメリカ男
俺を当選させてくれ
子どもたちが望んでいるのは偽者じゃない、真の救世主
だから俺を選んでくれ
俺の作るルールでみんなを揺さぶってやろう
俺を当選させてくれ

俺は決して嘘はつかない
常に冷静な男だ
俺を当選させてくれ
俺は票を獲得しなくちゃならない
学校をどうするかは、前に言ったよな
俺を当選させてくれ

わたしが当選したあかつきには
新党(ニュー・パーティ)の結成をお約束しましょう
その名もどんちゃん騒ぎ(ワイルド・パーティ)です!
わたしたちは今、たくさんの問題を抱えています
ここ、テネシーはもちろんのこと
ナッシュヴィルもメンフィスも
アメリカ中が問題だらけです
ですが
わたしの知ったことじゃありません

俺たちはこの選挙に勝ち
この国を手中に収める
若くてエネルギー溢れる俺ときみが手を組んで
一緒に選ばれようじゃないか

2012/12/08

2013年4月の PiL 来日決定! ジョニーおじさんがやって来る!!

121_7205
Public Image Ltd. at the Royale, Boston, 10-15-2012, a photo by xrayspx on Flickr.

何の前触れもなく突然の発表、驚きのニュースです。来年2013年4月、PiL の来日単独コンサートが決定しました! 名古屋、大阪、東京の3ヶ所、その内東京は2回で計4回の公演です。いやあ、このところいつもツアー日程はギリギリまで発表されなかったので、こんなに早く発表されるなんて。心の準備がまだできてないんですけど。

でもこうやって早く日程が決まるってことは、資金的な余裕もできてプロモーターへの信用も付いたってことですから、大変喜ばしいことです。

公式サイトの発表によると、日本に来る前に北京と上海でもコンサートをやるそうです。ジョン・ライドンがいよいよ中国へ進出します。すごいなあ、中国だとどんなコンサートになるのかなあ。きっと PiL なんか聴いたこともないような人がたくさん来てジョニーのパフォーマンスを観て、そこで人生変わっちゃうような人が続出するんだろうなあ。

日本でのコンサートは去年もやってますけど、メインはフェス(サマソニ)への出演だったし、新木場 Studio Coast での単独公演は直前になって決まったものだったから、知らなかった、スケジュールの都合がつかなかったとかで行けなかった人もたくさんいるはず。今度はスケジュール調整する時間もたっぷりあるから大丈夫。お金、体調、スケジュール、しっかり準備して臨みましょう。

「えーっ、ジョニー・ロットンって昔の人で、今はもうデブのおっさんでしょう?そんなの観ても...。」と思ってる人がまだ多いのかもしれません。確かにデブです。もう56歳です。だけど今が全盛期なんです。信じられないくらいカッコ良くてキュートなデブのおっさんです。嘘だと思ったら去年 PiL を観た人たちの感想を読んでみてください。

まだ信じられない?そりゃ自分の目で確かめるしかないね。

今日集まってるのは恥ずかしがり屋ばかりなのか?今日はドキュメンタリーの撮影をしてるんだぜ。みんな気弱なヘタレなんかじゃないってことを見せてやれよ!

2012/12/01

そして何か答が見つかったら、ぼくに教えてほしい (マニフェスト - ロキシー・ミュージック)

Roxy Music - Manifesto

ブライアン・フェリー(Bryan Ferry)のニューアルバムは過去のロキシー・ミュージック(Roxy Music)やソロ作品からセレクトしたセルフカバー集です。ただし1920年代風のジャズ・アレンジ、しかもあろうことかヴォーカル無しのインスト・アルバムでその名も「The Jazz Age」です。

普段ならここでニューアルバムをネタに与太話を書くところなんですが、昨今の状況を考えるとやはり今あの曲について書いておく必要があるという結論に逹し、敢てうんと古い曲をご紹介することにします。

会って話したこともないのに唐突に断言しますが、ブライアン・フェリー(Bryan Ferry)というのはものすごく自分勝手な人です。おそらく本人に悪気とか自覚のまったくない、天然タイプだと思います。

ブライアン・フェリーがロキシー・ミュージックのシンガーとしてデビューしたのは1972年です。ところがその翌年、1973年にはもうソロ・アルバムをリリースしています。しかもロキシーのメンバーがほとんどそのままレコーディングに参加しているにも関わらず、ロキシー・ミュージックではなくブライアン・フェリー名義なんです。普通「何でや?」って思いますよね。たぶん彼にしてみると「ロキシーとは違うことやってるし、そんなに変かな?あれ?前に話したよね?」という感じなんだと思います。1970年代はその後もロキシーのアルバムと並行して毎年のようにソロ・アルバムを発表し続けました。

ただそんな彼でも気付くほど他のメンバーとの関係がこじれてきたのか、1975年の「Siren」を最後にロキシー・ミュージックとしての活動を一旦停止、ブライアンはソロ活動に専念し始めます。大昔のインタビューでブライアンが「ツアーバスで他のメンバーに気を遣って、ほら、あそこにカンガルーがいるよ!とか言うのに疲れちゃったんだ。」なんて言ってたのを記憶しています。気を遣うところが違うだろうと突っ込みを入れたくなりますが、そういう人なので仕方ありません。

ただしその後もソロのレコーディングやツアーにはロキシーのフィル・マンザネラ(Phil Manzanera)やポール・トンプソン(Paul Thompson)がしっかり参加していて何だかわけの分からない人たちです。

そしてそのわけの分からないまま1979年に突然ロキシー・ミュージックの復活作としてリリースされたのがアルバム「マニフェスト (Manifesto)」です。今回ご紹介するのはそのオープニングを飾るアルバムタイトル曲です。

マニフェストというのは声明、宣言を意味します。ロキシー・ミュージックとしてのマニフェストです。ただしブライアン・フェリーがメンバーとよく話し合った結果この曲が生まれた、なんてことはあり得ません。間違いなくブライアン自身のマニフェストです。

マニフェストというのは他人に対して宣言するわけですから、言ったこととやってることがまるで違うというのでは信用を失います。もちろん人間、生きていれば諸般の事情というものがあり、臨機応変に変えていかなければならないことも多々あります。ですから、マニフェスト作りというのは、何があろうと決して変わらないもの、何があろうと決して変えてはいけないものを厳しく自分に問い、見い出す作業となります。

この曲の発表当時、マニフェストというのは一般の日本人が知っている言葉ではありませんでした。私はこの曲でマニフェストという言葉を知りました。そしてマニフェストというのは、こうあるべきものだと確信しました。

ブライアン・フェリーは今もこのマニフェストそのままに生き、歌い続けています。ぜひみなさんにも見習っていただきたいと思います。

ぼくは支持する
不意に襲いかかり
きみに欠けているすべてをもたらす
人生の転機を

ぼくは支持する
数字の順に色を塗るだけの生活に
突如吹き込む一陣の風を
詰み重ねが幸運につながる
さあそれはどうだろう

ぼくは友情と穏かな航海の(とりこ)
寄港地では熱狂で迎えられ
ただ愛に溢れて
激しく握手を交す

あるいは
明日を求める者にとっては
まったく無意味でもかまわない
どの町にも必ずいるだろう
束縛されるくらいなら
死を選ぶようなイカレた男が

ぼくは支持する
きみを死の淵に引きずり込むまで
鉄槌(てっつい)を振るう男を
彼のドリルは
百万マイルの彼方までも震わせる

ぼくは支持する
革命の女神の到来を
彼女がどこにいるのか知らない
だけどその場所はここだと言い切る者たちを
ぼくは知ってる

しばしばぼくは
不完全さに苦しんできた
大理石に入ったひびと
涙でいっぱいの
弱々しく疲れ果てた顔を
ずっと調べていた

ぼくは動機なく戦うために
どこでもない場所で生まれた男
根はその性質に逆らい
無理矢理ピンと張っている

ぼくを信じたほうがいい
出会うものに疑問を投げかけ
そして何か答が見つかったら
ぼくに教えてほしい

2012/11/24

女性の肉屋 (New York - レ・ブチャレッツ)

Le Butcherettes
Le Butcherettes, a photo by rtppt on Flickr.

「ゴアバーガー・ショー(The Gorburger Show)」という番組をご存知でしょうか?元々は「ズームイン北海道」という名前だったんですけど、ある日宇宙からゴアバーガーというモンスターがスタジオにやって来て出演者を何人か食べてしまい、そのまま居座って自分のショーを始めてしまったんです。

一応バンドやミュージシャンをスタジオに招いてのトーク番組なんですが、相手が女性だとゴアバーガーはひたすらセクハラ・トークに終始します。ところどころ日本語字幕が出たり日本人アナウンサーが話したりで、わたしたち日本人にも分かりやすい構成になっています。

その第6回に Le Butcheretts のテリ・ジェンダー・ベンダー(Teri Gender Bender)とリア・ブラスウェル(Lia Braswell)が出演しました。二人はこの番組の趣旨をよく理解してる様子で、ゴアバーガーと一緒に「ねえ、あたしの臭う?」とか下ネタで盛り上がっています。

ところで Le Butcheretts というバンドの名前、辞書には載ってない言葉なので意味が分からない人も多いのでしょう。元々メキシコで結成されたバンドなのでスペイン語と勘違いしてる人もいるみたいです。番組の「Justify The Name of Your Band」コーナーで解説されてます。

日本のみんなのためにさらに詳しく説明すると、肉屋を意味する英語の Butcher に女性を意味する名刺語尾 -ette を付け、頭にはフランス語の冠詞 Leを付けたものです。女性の肉屋、肉屋ガールズってところです。

番組中ゴアバーガーはフランス語にも造詣が深いところを示したいのか「レ・ブチャレッツ」なんて発音してます。確かに複数名詞の前には冠詞 les (レ)を使うのが文法的に正しいのですが、なんちゃってフランス語なので le (ル)でいいんです。「ル・ブチャレッツ」です。

番組の後半で「New York」が演奏されています。ゴアバーガーに「カマ()くん」と紹介されているベーシストはもちろんオマー・ロドリゲス・ロペス(Omar Rodríguez-López)です。

(2012/12/9追記) その後調べてみたところ、地元メキシコでは「レ」ブチャレッツと発音されていることが判明しました。本人たちも「レ」って言ったり「ル」と言ったりなので、どっちでもいいみたいです。ちなみに Teri Gender Bender はメキシコで「テリ・ジェンデル・ベンデル」と発音されています。

わたしの脚の下は
息苦しくて耐えられないんでしょう
口にあなたが舌を差し込むと
うがいしたくてたまらなくなる

うがいしたくてたまらない!
うがいしたくてたまらない!
うがいしたくてたまらない!

ニュウヨォク!!
ニュウヨォク!!
ニュウヨォク!!

すごく(から)くて
まるであなたの憎しみの下に
金色(こんじき)のウィスキーが隠されてるみたい
もうわたしの時代なのよ!
わたしの時代なのよ!
わたしのもの!

ニュウヨォク!!
ニュウヨォク!!
ニュウヨォク!!

2012/11/23

テリ・ジェンダー・ベンダーがやって来る (Kiss My Brown Eye - ボウズニアン・レインボウズ)

Omar Rodríguez-López / Le Butcherettes
Teri Gender Bender, a photo by remixyourface on Flickr.

PiL 今年のツアーは今月初め、テキサス州オースチンで開かれた Fun Fun Fun Fest で締めとなったわけですが、11月のテキサスで PiL や Run D.M.C. が目玉になって開催されるフェスって一体どんなフェス?そこで YouTube の動画をチェックすると、フェスのハイライト集でジョン・ライドン以外にもうひとり、妙な踊りを踊りながら歌うお姉ちゃんが見つかりました。ボウズニアン・レインボウズ(Bosnian Rainbows)というバンドのヴォーカル、テリ・ジェンダー・ベンダー(Teri Gender Bender)でした。

日本語の情報がほとんどないグループなので簡単にご紹介しておきます。テリのほかの三人は、ギターのオマー・ロドリゲス・ロペス(Omar Rodríguez-López)とドラムのディアントニ・パークス(Deantoni Parks)、それにキーボードのニッキ・キャスパー(Nicci Kasper)というマーズ・ヴォルタ(The Mars Volta)一派です。

ヴォーカルのテリはレ・ブチャレッツ(Le Butcherettes)というバンドでもう5年くらい活動してる人ですが、ブチャレッツはテリ以外のメンバーが流動的な一方オマーがずっとレコーディングやライヴに関わっていて、やっぱりロドリゲス・ロペス・プロダクションに所属しています。ブチャレッツもユニークなバンドなので、また別に改めて書こうと思ってます。

最初はテリを除く三人がオマー・ロドリゲス・グループ(Omar Rodríguez-López Group)名義で活動していたんですが、テリがヴォーカルとして加わり、ボウズニアン・レインボウズと名を改めました。

4人は8月の末から世界をツアーで回っていて、ドイツ、イギリスはもちろん、ベルギー、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オランダなどヨーロッパの寒い地方を中心に巡業しています。ロシアなんかペテルスブルクやキエフにまで行ってます。秋はアメリカ、オーストラリア各地を回ってこの後12月7日と8日、東京と大阪でライヴをやることになっています

アルバムなどはまだリリースしていないんですが、ドイツのスタジオ Clouds Hill Recordings で収録した7つのバンドのスタジオ・ライヴをセットにしたアナログ10インチ7枚組ボックス「...live at Clouds Hill」というのが12月に発売される予定になっていて、その1枚がボウズニアン・レインボウズの録音になります。

次のビデオはその Clouds Hill でのレコーディング風景を撮影したものです。

ヴォーカルはテリ・ジェンダー・ベンダー、昔の Nico にちょっと似た雰囲気もあります。ラテンの地に生まれ変わった生命力溢れる Nico って感じ。

2012/11/21

PiL のギグが終わるとみんな楽しそうに笑顔で帰るんだぜ。本当だよ。

PIL
PIL shot at Fun Fun Fun Fest 2012 by Dj Linda Lovely on Flickr.

PiL の北米ツアーは11月3日の Fun Fun Fun Festival で無事終了しました。1ヶ月足らずの間に20ヶ所、連日2時間前後のライヴという超ハード・スケジュールなのに、ツアー直前にジョン・ライドンが風邪をひくというアクシデントが発生、途中で声が出なくなるんじゃないかとすごく心配したんですが、取り越し苦労でした。

ライヴの合間にインタビュー、テレビ出演やらサイン会の数々をこなした上、日を追うに連れて疲れが出てくるどころか、ますます声の出が良くなるというジョニーの超人ぶりを思い知らされました。何で、どうやって、どこからあんな声出てくるの?

残念ながら今年のツアーはこれで終了。日本へは来られませんでした。でも日本だけじゃなく、ドイツやオーストラリア、南米なんか日本以上に長い間ツアーで行ってないから、また来年すぐに動き出してくれるはずです。

もうしばらくレコードや CD で我慢しましょう。ところで PiL の最新シングル「Reggie Song / Out of the Woods」はもう手に入れた?残念ながら国内盤の発売はないけど、輸入盤ショップや Amazon などで簡単に手に入ります。シングルとは言っても CD だとオマケでライヴが5曲も入ってるから、長さはアルバム並みの46分もあります。

そのほかにもネットで観られる/聴ける公式ライヴ音源がいくつか公開されているのでご紹介します。

Xfm Sessions
7月にロンドンのラジオ局 Xfm で放送されたスタジオ・ライヴ。
PUBLIC IMAGE LTD PERFORMS IN THE CURRENT STUDIO
10月にミネソタのラジオ局 The Current で放送されたスタジオ・ライヴ
PiL Live @ The Knitting Factory Reno
10月27日、ネバダ州レノ The Knitting Factory からリアルタイムでストリーミング放送されたライヴ映像。映像はピンボケですが音はバッチリで約2時間のライブ丸ごと観られます。

それから次の来日ライヴへ向けて、ジョニーからライヴの心得。

20年間休んで何をしてたんだって?何も休んじゃいない。レコード会社に破産状態に追い込まれていたんだよ。連中は俺が唯一、最も得意とすること、曲を書くことと人前でパフォーマンスする機会を俺から奪ったんだ。

ただの偏屈オヤジとしてのカムバックしたって意味はない。俺は自分が心から愛してる人間のために、人間の歌を歌いたかったんだ。俺は憎しみをいつまでも腹に抱えてるようなタイプの人間じゃない。そんな人間になるのはまっぴらだ。

俺はたとえ相手が大嫌いな人間だろうと、良く観察してそいつの良い所を見つけ出せる。それが俺のやり方だ。そうやって生きてきたんだ。たくさんの人間が憎悪で人生を腐らせるのをイヤというほど見てきた。時間とエネルギーを絶えずほかの人間を憎むことに費してると、やがて自分で自分を憎むハメになる。別に説教したいわけじゃない。だが俺はそうやって努力しながら生きてるんだ。

ライヴでは思う存分楽しんでくれ。自分自身を満喫するんだ。サウンドにふさわしい自由なダンスというものを理解して、カラダとアタマを解放するんだ。バンドと観客が一緒になって作り上げる最高の空間、この上ない快感だぜ。

俺は PiL を何よりも愛してる。俺たちは2時間目いっぱい、手抜きなしでプレイする。俺たちはみんなを解放するためにステージに立ってるんだ。アイルランド人の宴会とレイヴ・パーティとトルコ人の結婚式とギリシャ人結婚披露宴、そんなのを全部一緒に開くみたいなもんだ。俺たちの音楽は色んなものの融合物だ。俺はこと音楽に関してはチャレンジ精神が旺盛なんだ。恐れることなく突き進む。インプロヴィゼーションが溢れる一方で、ダンサブルでもある。PiL は常に形を変え続けるんだ。

PiL のギグが終わるとみんな楽しそうに笑顔で帰るんだぜ。本当だよ。

Q&A: John Lydon of Public Image Ltd.

2012/11/17

ちゃんときみの名前が書いてある (Comet - ワイアー)

Untitled
Robert Grey by Fergus Kelly on Flickr.

昨年に引き続きワイアー(Wire)のおじちゃんたちは今年も日本にやって来てくれました。いつも通り淡々と演奏して、淡々と帰っていきました。その淡々としたワイアーの中でも一際淡々としてるのがドラムのロバート・グレイ(Robert Grey)です。まるで寡黙なボクサーがトレーニングをしてるみたいにいつもステージの後ろで黙々とドラムを叩き続けています。

長年ワイアーを聞き続けてる人なら彼のドラムがワイアー・サウンドの要だということはよおく知ってると思います。いわゆるロック的なノリというものを完全に排除した彼のビートがワイアーをワイアーたらしめています。

嘘だと思ったらコリン・ニューマン(Colin Newman)が彼の奥さんマルカ(Malka Spigel)と一緒にやってるバンド GitHead と聴き比べてみてください。Wire も Githead もメンバーは4人で楽器構成も同じ、同じように多くの曲をコリン・ニューマンが書いて、似たようなメロディとギターサウンドで同じコリン・ニューマンが歌ってます。でも Wire と Githeadd それぞれの曲から受ける印象がまるで異なります。

たとえば Wire の 「One of Us」Githead の「Take Off」を聴き比べてみてください。

ね、全然違うでしょう。え?まったく同じに聴こえる?困ったなあ。いやビデオ撮影を担当したのが両方ともマルカなので、視覚に惑わされて同じように聴こえるのだと思います。目を瞑ってもう1回よおく聴いてください。

ね、違うでしょう?はい、違いますね。違うということになりました。この違いがどこから生まれるかというと、ロバート・グレイの叩くドラムのビートなんですよ。そういうことにしておいてください。

ええっと、ところで話は変わりますが中高年のみなさんの中には「ワイアーのドラムってロバート・ゴウトゥベッド(Robert Gotobed)って名前じゃなかったけ?」と疑問に思う方が少なくないと思います。はい、昔はそう名乗ってました。その理由については本人がこのように語っています。

Gotobed というのは先祖代々うちの名字なんだけど、祖父はこの名字が嫌いだったんだ。誰もホントの名字だって信じてくれなかったからさ。それで祖父は名字を Grey に変えたんだ。俺自身は Grey という名字で育ったんだけど、若い頃そのことを知り逆にこの奇抜な名字が気に入って Gotobed を名乗ることにしたんだ。当時はパンクの時代で変な名前を名乗ってるやつがたくさんいたから、俺の名字もきっとその類いだとみんな思ってたみたいだよ。

だけど時を経るに連れて俺も祖父と同じ意見を持つようになった。若いときには Gotobed という名字が力になることもあるが、年を取ると却ってそれが邪魔になるんだろうな。Grey という名字の方が今の自分にはふさわしいってわかったんだ。たぶん自分に自信が付いたせいだと思うよ。もう奇抜な名前で自分を誇示する必要なんてないからさ。

Wire's Pink Flag, by Wilson Neate

すごい速さでやって来る
彗星だ

こっちへ向かってやって来る
ちゃんときみの名前が書いてある

天からの贈り物
壊滅的大惨事

大合唱が起こる
大合唱が起こる
ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁーん
後はただすすり泣く声

大合唱が起こる
大合唱が起こる
ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁーん

大合唱が起こる
大合唱が起こる
ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁーん

大合唱が起こる
大合唱が起こる
ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁ、ぶぁーん

大合唱が起こる
大合唱が起こる
大合唱が起こる
大合唱が起こる