2011/08/07

首にまとわりつくアルバトロス (Albatross - パブリック・イメージ・リミテッド)

albatross by Dylan Todd
albatross, a photo by Dylan Todd on Flickr.

アルバトロスというのはアホウドリのことです。漢字で信天翁と書きます。翼を広げると2メートルにもなるでっかい鳥です。絶滅危惧種で天然記念物にも指定されています。

って書くとこの曲に出てくるアルバトロスとはかけ離れたイメージになってしまうのですが、英語の言い回しには albatross around my neck というのがあって、忘れたくても忘れられない過去の汚点やずっと付きまとう問題を意味します。

「Albatross」はセカンドアルバム「Metal Box/Second Edtion (1979)」の1曲目として収録されており、歌詞は「Public Image Part 2」とも言える内容ですが、サウンドはより重々しく、泥沼に引き込まれまいとあがくが如き曲調です。

例によってこの曲はセックス・ピストルズ時代のマネージャー、マルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)との確執を歌ったものと言われています。だとすれば「もう一人、お前のことを決して忘れない奴がいる」というのは死んだシド・ヴィシャス(Sid Vicious)のことかもしれません。

しかしそのマルコムも昨年死んでしまいました。ですがアルバトロスは今でもジョンの首から離れず付きまとっているようです。

スロウモウション
スロウモウション

首にまとわりつくアルバトロスを追い払う
不満の種を植え付けるお前のことは
よくわかっている
もうお前には耐えられない
ずっとお前を間近に見てきた

イカれた車のリアブラインドのように
アルバトロスを追い払う

だが俺は
逃げられるのか
逃げ切れるのか
逃げるべきなのか

逃げる
逃げ惑う

波頭に乗って
首にまとわりつくアルバトロスを追い払う
もう一人、お前のことを決して忘れない奴がいる
お前のことはよくわかっている

首にまとわりつくアルバトロスを追い払う
お前のことは
よくわかっている
もうお前には耐えられない
ずっとお前を間近に見てきた

だが俺は
逃げられるのか
逃げ切れるのか
逃げるべきなのか