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| 2010-07-19 – PIL – o2 Shepherds Bush Empire – London, London ... , a photo by wheelzwheeler on Flickr. |
サマソニ関連の Tweet などを見ていると、若い世代で PiL やジョン・ライドン(John Lydon)のことをよく知らない人がけっこういるようなので、こんなのを書いてみました。
PiL のジョン・ライドンとセックス・ピストルズのジョニー・ロットン(Johnny Rotten)は同じ人なんですか？
同一人物です。ジョン・ライドンが本名で、ジョニー・ロットンはあだ名です(あだ名の由来はこちら)。
最初セックス・ピストルズでデビューしたときは本名ではなく、あだ名のジョニー・ロットンを名乗っていました。ところがピストルズ解散後、セックス・ピストルズに関する諸々の権利をめぐって元マネージャーのマルコム・マクラーレンと訴訟になり、マルコムが芸名の権利は自分にあると主張したため一時的に「ジョニー・ロットン」という名前が使えなくなってしまいました。このため PiL として再デビューするに当たり本名のジョン・ライドンを名乗ることになったのです。
その後マルコムとの訴訟に勝利したため、再びロットンという名前を自由に使えるようになったのですが、音楽雑誌などでは「PiL のときはライドン、ピストルズのときはロットン」と呼ぶのが慣例になっています。ただし本人は PiL、ピストルズどちらの場合も関係なくインタビューなどでは「ハロー、アイム・ジョニー・ロットン！」と言ってます。だからどっちの名前でも、好きな方で呼んでかまいません。最近は「ジョニーおじさん」と呼ばれることも多くなってきています。
パブリック・イメージ・リミテッド(Public Image Ltd.)って名前は長いのでよく PiL って書いてあるんですが、どう発音するんですか？
「ピル」です。ステージでよく「俺たちはピル！おそらくは世界最高のバンドだ (This is PiL! Probability, the best band in the world)」と言ってます。
ジョンがステージの上で酒瓶をラッパ飲みしてるんですが、あんなに飲んでアル中じゃないんですか？
瓶の中身はブランデーですが、うがい用なので飲まずにバケツに吐き出してます。ジョニーおじさんは昔から蓄膿症で歌っているうちに痰がからんでくるため、頻繁にうがいをする必要があるんです。喉スプレーもポケットに入れてて、ステージ上で喉スプレーしているところもよく見かけます。
昔、もっぱらステージの床に唾を吐き捨てていたのもこれが理由なんですが、事情を知らないアホな若者が単純に真似をしたため唾をそこらへんに吐きまくるのがパンクスの流行になった時期もありました。今でも曲の途中とか、うがいが間に合わなくなるとステージの床に吐いたりすることもあるんですが、衛生的ではないのでよい子のみんなは真似しちゃいけません。
ルー・エドモンズが弾いている変な形のギター、あれは何ですか？
トルコの楽器でサズといいます。リュートの一種です。最近はピックアップ付きのサズが Elektro Saz という名前で販売されているため、日本の楽器店でも入手できるかもしれません。若き日のルーがサズを弾く姿は「Seattle (1987)」のプロモーション・ビデオでも観られます。
コンサートの間ステージの脇にずっと立っているおじさんがいるんですけど、あれは誰ですか？
ジョン・ランボー・スティーヴンス(John Rambo Stevens)というジョン・ライドンの幼なじみで、マネージャー兼ボディガード兼デザイナー兼ヘアスタイリスト兼色々やっている PiL の一員です。怪しいやつがステージに登ってくるとこんな風に飛び出して来ます。
PiL の CD、実は一枚も持ってないんですが、どれがお勧めですか？
今年のワイト島フェスティヴァルでの模様を収めた「Live At The Isle Of Wight Festival 2011」が一番のお勧めです。現在新作のレコーディング中なので、年内にはニューアルバムも出るはずです。
