2011/07/31

PiL 「Live At The Isle Of Wight Festival 2011」の国内発売決定!

Johnny Rotten PIL
Johnny Rotten PIL, a photo by .noir photographer on Flickr.

8月のPiL(Public Image Ltd.)来日に合わせて PiL とジョン・ライドン(John Lydon)ソロ旧作が一斉に再発されています。長らく国内では入手しにくかった「Happy?」や「Psycho's Path」も簡単に買えるようになって大変喜ばしい。みなさまにはぜひこの機会に一家に一揃い、ご購入いただきたいとは思うのですが、世知辛いご時世です。「そんなにいっぺんに買えねえよ」という方も多いかと存じます。あるいは「PiL 一度聴いてみたいんだけど、どれがお勧め?」という方も少なくないでしょう。

PiL を何か一枚という方々には先日ここでご紹介した「Live At The Isle Of Wight Festival 2011」、これを自信を持ってお勧めします。これが現時点での最高傑作です。ジョニーおじさんのエネルギーが溢れんばかりにたっぷり詰まっています。イギリスの ConcertLive という会社で販売している CD なので、これまでは英語サイトで購入申し込みをしなければならずちょっとハードルが高かったんですけど、うれしいことに国内販売が決定しました。Amazon で既に予約受付が始まってます。

ただし発売は9月19日なので「そんなに待てない!」という人は ConcertLive に直接注文するしかありません。今、国内で売ってる CD でどれか一枚?うーん、そうだなあ、ベストアルバムの「The Greatest Hits, So Far」かな。最近のコンサートで演奏される曲の大部分がこれに収録されています。

(2011/09/19 追記) CD 発売は10月10日に延期になりました。ただし Amazon MP3 と iTunes Store でのダウンロード販売は、予定通り本日から開始されています。

ジョン・ライドンの妻ノーラがラッパーとしてデビュー?

昨年10月に亡くなったスリッツ(The Slits)のヴォーカリスト、アリ・アップ(Ari Up)を偲んでのダンスパーティ A Punky Reggae Tribute to Ari Up が昨日イギリスのブリストルで開催されました。

スリッツのメンバー、テッサ・ポリット(Tessa Pollitt)、ホリー・クック(Hollie Cook)をはじめ、エイドリアン・シャーウッド(Adrian Sherwood)、ポップ・グループ(The Pop Group)のマーク・スチュワート(Mark Stewart)など、生前アリと活動を共にしたミュージシャンがたくさん出演したのですが、アリの母親のノーラ(Nora Foster)がなんと特別出演、ヴィヴ・アルバーティン(Viv Albertine)のギターをバックにラップを披露したそうです。

Great evening at The Thunderbolt I Loved playing guitar whilst Nora rapped7月30日 via Twitter for iPhone Favorite Retweet Reply

ノーラはもちろんジョン・ライドンの妻でもあります。以前ジョンがインタビューで「今まで聴いたことないほど早口のラッパーで、みんながぎょっとするようなすごいドイツ語なまりでラップするんだ」と言ってました。

ノーラはジョンより14歳年上なのでもう70歳近いはずなんですが、アリの母親でジョンと30年以上も連れ添ってきたような人ですからハンパじゃありません。先日の火事のときも「あんたたち、火事の現場の写真が撮りたいんでしょ。さあどうぞ、いくらでも撮りなさいよ」と言わんばかりの堂々とした写真がニュースサイトに掲載されていました

一度ノーラのラップ聴いてみたいな。YouTube にアップされないかな。

2011/07/29

俺にチャンスをくれてありがとう、バター! (This Is Not A Love Song - パブリック・イメージ・リミテッド)

Johnny Rotten Butter ad on the Tube by Annie Mole
Johnny Rotten Butter ad on the Tube, a photo by Annie Mole on Flickr.

先日の火事のニュースで「PiL(Public Image Ltd)のニューアルバム、大丈夫なのかな」と心配していた方、問題ありません、大丈夫です。制作は着々と進行中です。レコーディング中のスタジオでおこなわれたジョン・ライドンのインタビューが先日 BBC ラジオ 6 Music で放送されました。放送では3分ほどに編集されていたのですが、放送時カットされた部分を含む6分ほどのインタビューが公開されています。

レコーディングはスティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)の Wincraft Music Studios でおこなわれています。コッツウォルズにある石造りの民家納屋を改造した、まさにブリティッシュ・カントリーサイドなスタジオです。スタジオでリハーサル中の写真が PiL オフィシャル・サイトに掲載されています。リハーサル用の部屋かと思うかもしれませんが、これがメインのスタジオ・エリアです。Wincraft Music Studios の Web サイトに同じ部屋の写真が載ってます。ジョンは建物の石壁によって作り出されるドラムの残響音が大いに気に入ってるそうです。

スティーヴ・ウィンウッドはこのスタジオを安く提供してくれたんだ。すごく感謝してる。最新式の設備が揃ってるわけじゃないがエレクトロニカじゃあるまいし、そんなもの必要ない。PiL はライブバンドだ!ライブに演奏して、ライブに録音する!

聞きました?今や PiL はライブ・バンドなんですよ!2009年末から続く数多くのコンサートで毎回2時間以上歌い続けて得た自信がこの発言につながってるんでしょうね。ツアーのサウンドを担当してるエンジニア、ウォルターがそのままレコーディング・エンジニアとして参加しているとも言ってます。

あらかじめ用意していた詩はぜんぶ火事で燃えてしまい、記憶の中のイメージを思い出しながら新たに書き起こさなければならないそうですが、逆にその切羽詰まった状況をエンジョイしてるとも言ってます。まったく心配ありませんね。いつものように、レコード会社の支援なしに自分たちの力でこのレコーディングまで漕ぎ着けられたことをアピール、「俺にチャンスをくれてありがとう、バター!」とバターに対する謝辞も忘れていません(意味がわかんない人はこっちの記事を参照)。

もうずいぶん長いこと音楽業界にいるが、俺にちゃんと敬意を持って接してくれたのは、レコード会社じゃなくバター会社の人たちだけだった。

ジョニーは一生この恩を忘れないぜ!ということで本日紹介するのは(今のところ) PiL 最大のヒット曲「This Is Not A Love Song」です。だけどこの曲がラブソングじゃないとすれば、いったいこの世のどこにラブソングというものがあるんでしょう?

これはラブソングなんかじゃない

持てる者には幸福がもたらされ
持たぬ者には何もない
ビッグなビジネスにはアタマが必要
俺は自由競争社会に飛び込む

これはラブソングなんかじゃない

俺は競合相手の側に鞍替えする
持てる者には幸福がもたらされ
持たぬ者には何もない
ビッグなビジネスにはアタマが必要
俺がいるのは、自由競争社会の真っ只中

俺は柔軟だ

俺は柔軟、要領がいいから
この新しい役目がお気に入り
益々いい感じだ
目標も変わった
投資先が変われば、俺も行く先をコロコロ変える

これはラブソングなんかじゃない

蝋燭を手に取れ、準備はいいか
あのトンネル・ヴィジョンの先だ
コメディ番組のことじゃない
背後から操れ
秘密をバラせ
ビッグな世界で成功するには
始発列車に乗らなくちゃならない

だが果たして
俺はきみを見つけられるだろうか
きみはそこにいるのだろうか

2011/07/26

アナログテレビ放送終了記念特別番組 TVC 15 - デイヴィッド・ボウイ

David Bowie "TVC 15" 45, 1975 by ocad123
David Bowie "TVC 15" 45, 1975, a photo by ocad123 on Flickr.

「もしもし」
「はい、こちら何とかサポートセンターです」
「テレビの番組が急に見れなくなってな、あんたんとこの番号が出てたんで電話したんだが」
「お使いのテレビは地デジ対応の機種でしょうか?」
「メーカーはナショナルだ、幸之助さんとこのテレビだ」
「ナショナルブランドのメーカー品ということですね。ええと、本日正午をもちましてですね、アナログテレビ放送が終了...」
「今日はテレビ休みか?」
「あっ、いいえそうではなくてですね、放送の方式が地上デジタル放送という...」
「むずかしいこと言われてもわからん。いつ直るんだ?」
「あのですね、新しいテレビに買い換えるか、別途地デジ対応のチューナーを購入いただきませんと...」
「テレビがこわれたのか?修理せんとだめか?」
「いいえテレビの故障ではなくてですね、古いテレビは今日から使えなくなったんです」
「なんでだ?こわれてもいないテレビが映らんなんて、そんなバカなことあるか!」
「いやわたくしどもも大変不本意なんですが、国で決めたことなので...」
「そんなバカなこと決めたのはどこのどいつだ?また民主党か?あいつだな、菅だな!」
「いやあれは政権が変わる前ですので、ええと首相は誰だったかな...よく変わるので...」
「あんたじゃいくら話してもラチがあかん。よし、わかった。慎太郎のとこへ電話して抗議する!」

という今日この頃ですが、みなさん地デジへの移行はお済みでしょうか?アナログテレビはずいぶん長いこと見てきたので、思い起こせば色々あるんですが、何といってもここで真っ先に取り上げなければならないのはデイヴィッド・ボウイ(David Bowie)さんのことでしょうね。

彼が1976年に主演した映画に「地球に落ちて来た男 (The Man Who Fell to Earth)」というのがありまして、彼はそこで知能は高いんだけどまるで体力のないやせっぽちの宇宙人を演じています。地球から遠く離れたその宇宙人の星がひどい干ばつに見舞われたため、彼は妻子を置いてひとり宇宙船に乗って地球へやってきます。地球に水がたくさんあることはテレビを見て知ったのです。だから彼は水とテレビが大好きです。でも地球へ来てみるとお水よりおいしいお酒というものがあることを知り、彼はお酒ばかり飲むようになってしまいます。彼は宇宙船を建設し、自分の星へ帰ろうとするのですが...というのがあらすじです。

次のビデオはアル中になった宇宙人がテレビを見るシーンです。彼は複数のテレビを一度に見られる能力を持っています。しかし彼は、彼の希望の象徴だったテレビが、結局自分の望んでいたものではなかったことに気付き、嘆き、絶望します。

「最近のテレビはおもしろくなくなった」という人がいますが、1976年だってテレビは別におもしろくなかったよ。ただ人はテレビの中にある世界、ブラウン管の中にひろがる世界にただ漠然と「もっと何かあるんじゃないか」というかすかな希望を持ってただけです。

この映画の撮影直後に作られたアルバムが「ステイション・トゥ・ステイション (Station to Station)」です。当初は映画のサウンドトラックに使うという話もあったようです。結局このアルバムの曲は映画には使われませんでしたが、ジャケットには映画のスチル写真(宇宙人が宇宙船の中に入るところ)が使われています。

で、このアルバムの中の一曲が人喰いテレビの歌「TVC 15」です。この曲に出てくる dream test baby という言葉の意味がわかんないという人が多いようなのでネタばらしすると、テレビのブラウン管のことを英語では TV Tube と言います。そんで、今でいう「体外受精」で生まれてくる子供のことを当時は「試験管ベビー (Test Tube Baby)」と呼んでおり、その是非がさかんに議論されていたんです。歌詞に直接 Tube という言葉は出てきませんが、当時の聴き手にとっては曲を聴いてすぐに連想するような言葉だったのです。あともうひとつ出てくる Rainbow という言葉、こっちは今でもたいていの人が見たことあるはず、放送終了後なんかに表示される色合わせ用のテストパターンのことです。あれが虹です。こっちはわかりますよね。

TVC 15 という名前についても書いておきます。昔のテレビはチャンネルを切り替えるスイッチがちょうど時計のように1から12までの数字が書かれたダイヤルの形をしていました。チャンネルは物理的に12個しかなかったのです。しかし TVC 15 はその名前からして15個のチャンネルがあるようです。つまり「ありえないチャンネルが映るテレビ」というわけです。

毎晩8時半か9時に起き出したら
それからずっとぼくは友達に夢中
立体音響、たくさんのチャンネル
立体映像、ぼくの友達 TVC 15

赤ちゃんを家に連れて来たんだけど
不機嫌な顔してぼーっと座ったままだった
ところがあの子、ぼくの TVC 15 を見るなり
消えちゃった
ハイハイして、中に入っちゃった
ハイハイして、中に入っちゃった
立体映像、ぼくの TVC 15
悪魔のような、ぼくの TVC 15

「ぼくの夢の試験管ベビーを返してください。あの子はぼくのお気に入りの番組なんです」
ぼくが毎晩前に座ってお祈りしても
立体映像の TVC 15 はまばたきもせず
ただじっとぼくのことを見つめてるだけ
でもいつの日か、画面のテストパターンの虹の道を飛び降りて
あの子に会って、一緒にときを過ごすんだ
立体映像、ぼくの TVC 15
あの子はこの中のどこかにいるはず
愛は空の上で視聴率を調べてるんだから
立体映像、ぼくの TVC 15

新方式に移行
放送開始

新方式に移行
放送開始

ぼくの TVC 15
ぼくの TVC 15

2011/07/23

PiL の MOJO Honours List 受賞とロンドンのライドン邸火災と PiL 新作レコー ディング情報

Johnny Rotten PIL by .noir photographer
Johnny Rotten PIL, a photo by .noir photographer on Flickr.

先週末に UK 音楽誌 MOJO 主催の MOJO Honours List 2011 の授賞式が開催され、我らが PiL(Public Image Ltd.) も Outstanding Contribution to Music というのを受賞、ジョン・ライドン(John Lydon)が授賞式に出席しました。

この MOJO Honours List というやつは読者の年齢層が高いためでしょうね、今売れてる旬のアーティストよりも、実績のあるベテラン・アーティストが多く受賞することで知られてまして、今回もリンゴ・スター(Ringo Starr)、ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)、エディー・フロイド(Eddie Floyd)、スティーブ・クロッパー(Steve Cropper)など、ええと今年は1969年でしたっけ?という顔ぶれが並んでいます。

ジョン・ライドンは2008年にもセックス・ピストルズ(Sex Pistols)で Icon Award を受賞していますが、今回は PiL としての受賞です。受賞した Outstanding Contribution to Music というのは日本語にすると音楽功労賞ってとこかな。歴代の受賞者を調べてみるとシガー・ロス(Sigur Rós)、ポール・ウェラー(Paul Weller)、ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)っておいおい、賞を授ける順番完全に逆転してるんじゃねえの? PiL が真っ先に来るはずだろうって感じですが、まあ2009年末まで長らく休止状態だったバンドなので良しとしましょう。

プレゼンターは豪華絢爛、ホークウィンド(Hawkwind)のデイヴ・ブロック(Dave Brock)、レインコーツ(The Raincoats)のアナ・ダ・シルバ(Ana da Silva)とジーナ・バーチ(Gina Birch)の3人です。デイヴが「ええっとスピーチの原稿は...犬のビスケット?こりゃ買い物リストだった」とベタなギャグを飛ばし、アナとジーナが(ジョンのお尻の穴がむずむずするような)賛辞を述べた後でジョン・ライドン登場です。着ているジャケットがとてもお洒落です。ところがジョンはデイヴから受け取ったトロフィーをいきなり床に放り投げてスピーチを始めます。これまで PiL として活動していくことがいかに困難だったか、レコード会社や音楽業界は何のサポートもしないだけでなく、借金漬けにして足を引っ張り活動の邪魔をしてきたこと、友人(兼マネージャー兼ボディガード兼ヘアスタイリスト...)のジョン・ランボー(John Rambo)が PiL のメンバーと言って過言ではない貢献をしていることなどを話した後「イングランド、俺たちはあきらめない!俺たちの国は音楽で最高の国だ!」と締めくくり、最後にトロフィーを床から拾って帰ります。照れ屋さんなんでいつもこんな感じです。

以上が授賞式の模様なんですが、ニュースサイトなどで今話題になっているのはこの授賞式の後でジョンが話した内容です。BBC News には次のように書かれています。

俺がイタリアへのツアーでちょうどステージに上がろうとしていたとき、妻から電話があったんだ。「ジョン、あなたを動揺させたくないんだけど、家が燃えてしまったの」ってさ。ここ2年くらいロンドンの家には帰ってなかったんだが、久々に帰って掃除しようと考えていた矢先に火事になってしまったんだよ。

80年代前半から彼はずっとロサンゼルスに住んでいるためロンドンの家はずっと空家状態だったようなのですが、妻のノーラがいたということは、新作のレコーディングを機に生活の拠点をロンドンに戻そうと考えて準備していたところだったのかもしれません。火災の原因は台所にあった脱水機の故障だということですが、ノーラは怪我もなく無事だったそうです。またこの火災で PiL の新作用に書いた曲も燃えてしまったそうですがジョンはこう言ってます。

そんなの全然問題じゃない。(ノーラが無事だったことが)俺の人生最大の朗報だよ。

いつものおノロケです。まあジョンとノーラが無事なら曲の10曲、20曲燃えたところで心配ありません。家が燃えたためにまたお金も必要になるでしょうから、新作のレコーディングにさらに力が入ることでしょう。

Twitter を今 John Lydon で検索すると火事の話題だらけなんですが、その中で肝心な Tweet が見過ごされています。これです。

John Lydon is recording a new PiL album at Steve Winwood's studio; it should be ready by the end of the year. Interview in Monday's The Star7月22日 via web Favorite Retweet Reply

PiL の新作はスティーブ・ウィンウッド(Steve Winwood)のスタジオでレコーディング中。年内に完成予定。インタビューは月曜の The Star に掲載予定、とのことです。

(追記)別の記事には火災のときジョンがいたのはイタリアじゃなくてロシアだったって書いてありますね。被害は全焼ってほどでもないみたいで、早速修繕の始まった部屋に立つノーラの写真が載ってます。それからお約束のジョンのサービストーク「火災の原因は脱水機だ。出火当時中には俺のパンツが入ってたんだけど、難燃性の素材じゃなかったんだ。」ってのが。

2011/07/20

John McGeoch の発音

前のエントリーで John McGeoch の読み仮名を「ジョン・マッギーオ」と書いたところ「違うんじゃないの?Wikipedia にはこう書いてあるよ」というお便りをいただきました。いいえ、日本語で表記するなら「ジョン・マッギーオ」以外ありません。昔と違って今はインターネットとか YouTube があるんだからさあ、みんな自分の耳で確認しようぜ。

くだんの Wikipedia ページに書かれている「Real Life & Thereafter」の映像というのはたぶんこれですね。頭から25秒のところではっきり「ジョン・マッギーオ」と発音されています。「ギー」にアクセントです。

まだ納得いかない?じゃあもうひとつ。こっちは BBC Radio 2 の John McGeoch 追悼番組のようです。1分56秒のところでちゃんと「ザ・ストーリー・オブ・ジョン・マッギーオ」と発音されています。

わかった?じゃあこれからはみんなちゃんと「ジョン・マッギーオ」って書こうな。

あと関係ないけど Led Zeppelin を英語圏では「レッド・ゼップリン」(「ゼ」にアクセント)と発音するんだよ。「ツェッペリン」と発音するのはドイツ人。FORVO で確認できます

2011/07/17

彼が今自分の声を使ってやっているのは、以前の彼にはできなかったことだよ - ルー・エドモンズ

FMM 2010 - The Mekons by retorta_net
FMM 2010 - The Mekons, a photo by retorta_net on Flickr.

PiL(Public Image Ltd.)の歴代ギタリストはキース・レヴィン(Kieth Leven)、ジョン・マッギーオ(John McGeoch)、スティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)など、強烈な個性を持った錚々たる顔ぶれで、今でもその音を懐かしむファンが少なくありません。一方現在のギタリスト、ルー・エドモンズ(Lu Edmonds)はこれらの歴代ギタリストに比べると「一歩引いた控え目な」印象がありますが、これは彼が意識して選択したスタイルのようです。

2009年末の「ALiFE 2009」と先日リリースされたばかりの「Live At The Isle Of Wight Festival 2011」、わずか1年ほどしか時期の違わない二つのライブ・アルバムですが、両者のトータルな印象は大きく異なります。収録されている曲は同じ、アレンジもほとんど変わっていないにも関わらず、全体から受ける印象が大きく違うんです。特にギターと歌のカラミや間、コンビネーションが格段にアップしています。ルー・エドモンズのギターには「ジョン・ライドン(John Lydon)の歌」をサウンドの中心とし、それを後押しするという明確な意志が感じられます。

昨年春のUSツアー時の Ultimate-Guitar.Com のインタビューでそのへんを語っているのでご紹介します。

USツアーは評論家たちから賞賛のレビューが寄せられていますが、うれしく思いますか?

ああ、でもある意味当然の評価だと思うね。バンドは音楽的にすごくうまくいってるから。もちろんジョンの驚異的な歌唱力が大きいよ。これまでにないほど強力で、半音で三つ、四つ上げても同じようにう歌えるようになってる。彼の声域は驚異的に拡がっているんだ。彼は面白いこともやってて、トルコ音楽みたいな非西欧的な要素も柔軟に取り込んでいるよ。

過去の PiL の数多くの曲が今回のツアーで新たな命が吹き込まれたわけですが、こうした曲をあらためてライブで演奏するにあたって重視したことは何かありますか?

どんな作品にも寿命というものはある。だが曲のオリジナルなエッセンスに忠実であること、それがぼくらのすべきことだったんだよ。過去の作品をなぞるだけのような愚かなこともしていない。ぼくらがやっているのは自分たちの楽器を手に取り、ベストなサウンドを鳴らすこと、そしてジョンの歌をサポートするベストなやり方を見つけることだよ。

ジョンと一緒に仕事をするのはどんな感じですか?昔と今では違いますか?

チョークとチーズくらい違うよ。80年代の中頃、色々な面で当時バンドやジョンは全力投球していたとは言えないと思うんだ。ジョンはビル・ラズウェル(Bill Laswell)がプロデュースした「Album (1986)」とシングル「Rise」で成功をおさめていた。そこでギターを担当していたのはスティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)だったし、ジョンは「Flowers of Romance (1981)」や「This Is What You Want, This Is What You Get (1984)」の実験的モードから抜け出したばかりの頃だった。だからぼくらが最初に集まったときは、ただ漠然とコード進行と曲を憶えるだけだった。ぼくらはバンドとしてあまりいい状態じゃなく、みんなあまりシリアスに考えてなかったんだ。ジョンに関して言えば、あるときは興味を持って仕事をしていたけど、そうかと思えば退屈そうにしたりでムラがあったと思う。でも今は違う、彼はあらゆることに興味を持ち、すべてに集中して、すごくいい時間を過ごしている。彼が今自分の声を使ってやっているのは、以前の彼にはできなかったことだよ。いや実際、ぼくは今まで彼以外の誰ひとりあんな風に歌うのを聴いたことないよ。

彼と一緒に仕事をすることでクリエイティヴな刺激を受けたということですね?

まさにその通り。ジョンはすごくオープンな心の持ち主だ。たとえばリハーサルでぼくが最高のギターを使ってプレイしようとすると「別の楽器を使ってみたら?」なんて言い出すんだ。で、ぼくはサズを取って演奏を始める。サズというのはベースギターと同じくらい長いネックを持つトルコのリュートなんだ。今じゃPiLの多くの曲で何よりもサズを使うようになってる。

上の写真でルーが持っている楽器がサズです。ライブでは「This is not a Love Song」や「Warrior」、「Open Up」などでサズが使われています。アルバム「Happy?」だと「Hard Times」のイントロ、あれがルーのサズの音です。

ルーのインタビューにはほかにもソ連(エストニア)でのライブや耳鳴りの悪化で脱退したときのことを話しているものがあるんですけど、それはまた別の機会に。

2011/07/12

一曲歌うだけでもう汗だく (Monkey Fist - フィリップ・ローバック)

IMAG1154 by jennifersaylor
汗が床に滴る, a photo by jennifersaylor on Flickr.

ここ札幌では連日最高気温が25度を越え、みんな暑い、暑いと言っておりますがみなさんいかがお過ごしでしょうか。

本日ご紹介するのはフィリップ・ローバック(Phillip Roebuck)というワンマンバンドの人です。バスドラムとタンバリンを背中にしょって、バンジョーを弾きながら歌う人です。ドラムとタンバリンは踵にくくりつけたワイヤーを使って鳴らします。普段は街角やライブハウスなどでやっているみたいです。ご家庭のパーティなどに出張して歌うこともあるみたいです。俳優もやっていてこんな映画に主演したりしてます。俳優とミュージシャン、どちらが本業なのかわかりませんが、どちらもあまり儲かってるようには見えません。

歌はですね、熱いです。もちろん演奏もこの上なく熱くてスピーカーから汗が飛び散ってきます。歌詞も直球、ど真ん中、真っ向勝負です。逃げも隠れもしません。暑い日には熱いサッポロラーメンがおいしいように、こうゆうサウンドが一番です。

そんなフィリップさんを、炎の男スティーブ・アルビニ(Steve Albini)がプロデュースしたアルバム「Fever Pitch」から「Monkey Fist」をお聴きください。

ハンマーと釘を手に取ってくれ
ぼくらで船を作り、航海に出るんだ
ぼくらで船を作り、航海に出るんだ
嵐を突き抜け、南からの強風の真っ只中を

手を貸してくれ、きみの運命にかけて誓ってくれ
ぼくと一緒に来て、きみの役割を果たすんだ
ぼくと一緒に来て、きみの役割を果たすんだ
海峡のはるか彼方に船をとめよう

ロープの先をきつく縛ってモンキーフィストを作ってくれ
日のあるうちに準備を終わらせよう
今夜ぼくらは出発するんだ
水平線のはるか彼方を目指すんだ

2011/07/08

これまでの PiL のアルバムの中でもこれはベストかもしれない (Live At The Isle Of Wight Festival 2011 - パブリック・イメージ・リミテッド)

ConcertLive から6月12日のワイト島フェスティバルでの PiL(Public Image Limited) コンサートを収録したライブアルバム「Live At The Isle Of Wight Festival 2011」が到着しました。

ここでも何度か紹介している通り、ConcertLive はコンサートのライブ録音をその場で CD に焼き、販売するサービスをおこなっている会社です。コンサート本編が終わったらすぐ、アンコールを演っている間に CD を焼いているので、コンサートが終了して会場を出るときにはもう CD が販売されています。一般的なライブ・アルバムというのは、ライブ録音に後から修正を加えたものが少なくないのですが、当然 ConcertLive の場合それはありません。すぐ CD を焼いて売らなくちゃならないので、そんなことする時間はないのです。

ヴォーカルの音のはずれたところ、演奏をトチったところなどぜ全部そのまま記録されて販売されます。コンサートというのは一種のお祭りですから、みんなで騒ぎながら会場で聴く分には細かな演奏ミスなど全然気にならない場合も多いのですが、後から録音したものを聴く場合そうはいきません。したがってこういうCDを販売できるのはライブ演奏に自信のあるバンドに限られます。

一発勝負の録音ですから予期せぬ機材トラブルなどもあり得ます。単独コンサートであれば普段以上に入念なリハーサルやサウンドチェックをおこなうことでリスクを大幅に減らすことができますが、数多くのバンドやクルーでごった返すフェスティバル形式のコンサートの場合はそれもままなりません。

今回のワイト島フェスティバルで PiL はそうしたトラブルに見舞われてしまいました。アルバム冒頭「技術的な問題が発生した。申し訳ない。」というジョン・ライドン(John Lydon)の声で始まります。その後いつもの「エンジョォォォイ!」という掛け声から1曲目「Public Image」が始まるのですが、なんか音のバランスが変です。トラブルはまだ続いているようです。ジョニーおじさんの声もかすれ気味でちょっと心配。歌いながら「Everything is broken!」とか悪態をついてます。あらら、ルー・エドモンズ(Lu Edmonds)のギターフレーズがズレた。小節の頭がわかんなくなっている様子。モニターの調子が悪くて自分たちの演奏がまともに聴こえないようです。

それでも2曲目の「Home」に突入しますが、状況は一向に改善しないどころが益々ひどくなっているようです。ジョンが歌詞を途中で変えて「こっちは何も聴こえないんだよぉぉ、アイキャーントヒア、ナッシィィィィング!!」と叫んで現状をサウンド担当スタッフにアピールしますがダメらしく、とうとう「こりゃひどすぎる」とあきらめて演奏を切り上げてしまいます。「もしサウンドがこのままなら、ホーム・スウィィィィト・ホーム、家にいたほうがマシだぜ!」なんて叫んでますが怒り心頭という雰囲気ではなく「しょーもねーなー」という感じです。

その後「2分間時間をくれ。一旦下がって修正してくる。ちょっと退屈するかもしれないけど、大人しく待っててくれるよな!」と言って一旦ステージを降りますが、無事原因がわかったらしく、すぐに担当スタッフと共にステージに戻って謝罪。ジョンが「全員、首をはねておしまい!(All heads will roll)」と言って笑いを取った後で演奏が再開されます。

最初の10分強はこんな感じなのですが、3曲目の「Albatross」からアンコールまで、残りの110分は怒涛のごとし、です。これまでの PiL のすべてのアルバムの中でもこれはベストかもしれない。「前作『ALiFE 2009』買ったから今回はいいかな」とか「YouTubeで結構色々見れるし」なんて思っている人がいたら大間違いです。限定版ですからすぐに買っておかないと後々後悔します。ジョンが「歴代 PiL の中でもベストメンバーだ!」と言っているのが実感できます。ひとつひとつの曲はオリジナルのアレンジから大きく変わっていないにも関わらず、ジョニーおじさんの声の勢いと演奏がぴったりマッチしていて曲が生まれ変わっています。特にアンコールの「Memories」と「Open Up」がすごい。

ルー・エドモンズ(Lu Edmonds)を甘く見ていた人は、今のうちに謝っておきましょう。

(2011/7/31 追記) 国内でも販売されることになりました。9月19日の発売予定です。Amazon で予約受付中です。

(2011/09/19 追記) CD 発売は10月10日に延期になりました。ただし Amazon MP3 と iTunes Store でのダウンロード販売は、予定通り本日から開始されています。

(2011/10/19 追記)今度は予定通り発売されたのですが、残念なことに曲順を間違えて製造したCDが出荷されています

2011/07/05

Army of One の受動的抵抗 (Warrior - パブリック・イメージ・リミテッド)

Mahatma Gandhi

ここ10年くらい、ジョン・ライドン(John Lydon)はインタビューでよくマハトマ・ガンジーの名前やガンジーの受動的抵抗(Passive Resistance)という言葉を口にしています。今年のエジプト民主化運動のときにもこんなメッセージを寄せています。ガンジーといえば歴史の教科書に必ず出てくる、イギリスによる植民地支配からの独立を果たした『インド独立の父』です。そのガンジーになぜジョンが入れ込むのか、ピンと来ない人が多いじゃないでしょうか。

目的のためには手段を選ばないだって?馬鹿げてる。目的とそれを実現する手段は表裏一体だ。この二つは分離できない。もしあんたが間違った手段を選ぶなら、あんたの目的そのものが間違ってるということだ。あんたが何か間違いを正そうとするとき暴力を選択を選択すれば、あんた自身が哀れな暴力的存在に成り下がる。

上記は先月 BBC のインタビューでジョン・ライドンが語った言葉です。なあんて言うとほとんどの人が信じてしまいそうですが、実は違います。これ実はガンジーの言葉(を私がジョン・ライドン語に翻訳したもの)です。どう?ガンジー、かっこいいでしょう。

ガンジーはお坊さんみたいな恰好をした写真と共によく紹介されているため、何となくダライ・ラマ14世あたりとイメージがダブってしまいますが、ガンジーは宗教指導者ではありません。彼個人はヒンドゥー教の信者ですが、インドではヒンドゥー教だけでなくイスラム教も大きな勢力を持っており、そのほかにも様々な宗教があって、そもそも単一の宗教の元に人々をまとめるなんてできない地域なんです。それから彼は政治家でもなければ、政治団体の主催者でもありませんでした。何の肩書きもないただの「ガンジー」という人です。

ガンジーは単なる平和主義者でもありません。当時のインドにも武力に頼らず平和的に話し合いで独立を果たしていこうという穏健派の人たちがたくさんいたのですが、ガンジーは「イギリス人の作った法律に従い、イギリス人へ陳情することは自らを貶める行為。自分たちで自治しているのであれば、仮に無秩序状態になっても耐えるに値するが、従属下の秩序は貧困を意味する」として穏健派にも組しませんでした。つまり「断じて抵抗する!」という考えです。Anger is an energyです。

自分たちが抵抗するそのやり方(手段)は自分たちが作ろうとする国(目的)と表裏一体であり、抵抗の行為そのものが新たな国の姿を形作るという考えの下、ガンジーが呼びかけたのが不服従運動です。イギリス人とイギリス人に服従するインド人たちが決めた法律には従わない。イギリス人とイギリス人に服従するインド人たちの役所にも陳情しないし、その支配下にある裁判所でも争わない、従わないという呼びかけです。中でも有名なのが塩の行進です。当時のインドでは塩の製造、販売が専売制により植民地政府に管理されていたのですが、この法律に従うことを止め、伝統的な製法で自由に塩を作り、塩を売り買いしようというものです。不条理な法律を支えているのはインド人であり、インド人が法律に従うことを止めれば、その法律によって成り立っている植民地支配そのものが崩壊するという理屈です。そしてそれは現実になりました。

ジョン・ライドンは闘っています。何に抵抗し、何と闘っているのか。それは今、日本であなたが理不尽だとか屈辱的だと感じているものとあまり変わらないものです。腹立たしい?じゃあ抵抗しかないね。自分で闘うしかないね。あんたはあんたの闘いを闘う。俺は俺の闘いを闘う。JohnLydon.com に書かれている「army of one(ひとりだけの軍隊)...」ってそうゆう意味なんだよ。

大地の目
森の耳
魚は頭を下げて水に潜む
俺は虎に跨がり
二度と降りることはない
苦難の十字架と梯子は天まで続く

俺は戦士
断固として立ち向かう

蝋燭に火を灯し
窓を照らす
今宵見える
ただひとつの光
無力な者には服従しかなく
死者が持てる富もない
ある者は目覚めるが
寝返りを打つだけの者もいる

犬の遠吠えを聞き
木々の揺らぎ見つめる
昼夜を分かたず
明かりを灯し続ける
度重なる侵略にも
敵に哀れみを乞うことなどない
ここは俺の国
けっして屈服しない

俺は戦士
けっして屈服しない
断固として立ち向かう
俺は戦士

2011/07/02

PiL がいよいよ新作のレコーディング開始

PIL @ Primavera Sound 2011 by Mauricio Melo
PIL @ Primavera Sound 2011, a photo by Mauricio Melo on Flickr.

PiL のメンバーがついに新作レコーディングのためスタジオ入りしたというニュースが The Quietus に掲載されています。

俺たちにはレコード会社やスポンサーという後ろ盾は何もない。俺たちが金を集められる唯一の方法がツアーなんだ。で、やっと新しいアルバムを作れるだけの金ができた。

ピストルズがダメになって PiL を始めたときと同じだよ。あのときも経費を切り詰め自前で資金をかき集めなくちゃならなかった。相変わらずさ。

曲の準備は山ほどある。曲を書くのを止めることは絶対にない。他の音楽から影響を受けることはあまりないが、たとえばニュース番組でキャスターが話すときの詩的なビートには影響されるな。番組の編集にマッチするリズムがあるんだ。映画なんかもそう。シェイクスピアやいい詩にも独特のリズムがあるし、すっげーおもしろい本からも影響を受ける。あとは長時間の散歩とかさ。

The Quiets | PiL Working On New Material

ただしツアーの日程を見ると7、8月にヨーロッパで5本、日本で3本のライブが残っています。あまり予算はなさそうなので、ライブの合間を縫ってレコーディングを完成させてしまうのかも。そうすると、日本のライブでは新曲が聴ける可能性があります。

あるいは今回のツアー地域に北米、中南米が入っていないところを見ると、8月に一旦ツアーを終了させてから本格的なレコーディング。今年後半にニューアルバムをリリースして、また次のツアーを開始するつもりなのかもしれません。

追記: BBC ラジオ6のインタビューでジョンがニューアルバムについて話しています

島を動かせ (Red Barked Trees - ワイアー)

Guanyin Bodhisattva of the Southern Sea by gmeador
Guanyin Bodhisattva of the Southern Sea, a photo by gmeador on Flickr.

アルバム「Red Barked Tree」締めくくりの曲「Red Barked Trees」は30数年のワイアー史上初のアコースティックな曲です。作った本人たちは「まるでペンタングル(Pentangle)だろ、わはは」とか言ってますが、今どきペンタングルなんて名前持ち出してもみんなわからないでしょう。でも今、もっともお洒落なのがペンタングルとかブズーキです。知らない人はあわてて YouTube でチェックしましょう。

賢者の石とかこのテのものはどこかヨーロッパの深くて暗い森の中にあり、ハリー・ポッターが仲間たちと一緒に勇気を出して探しに行くというイメージです。では回復の赤い木、Red Barked Tree は一体どこにあるのでしょう?まず注意していただきたいのは曲名です。アルバムタイトルは「Red Barked Tree」ですが、曲のほうは複数形で「Red Barked Trees」になっています。つまりこの木は一本だけぽつんとあるわけじゃなく、一ヶ所にたくさん生えているようです。赤い木の森ということです。

次にその場所ですが「The search is on, in southern seas」と歌われています。南の海です。南極海という説もありますが、普通はインド洋あたりから東南アジア、オセアニア辺りではないでしょうか。だんだんイメージがはっきりしてきましたね。真っ赤なマングローブの森みたいなのを探しているようです。

「島を動かすのはすごく危険で、先生も正確なところ、どうなかるかは予測できません。だけど今はこれしか方法がないんです。」
(ベン・ライナス似の)歴史の教師はそう言って、オーキッドへの入り口、東校舎の中庭にある温室に姿を消した。

自分が反対側にいたことに気付き
迷信から目覚める
マスクを装着して夜間の視界を確保
安全を確保しながら離脱し、定配置に付く

母の過ち、娘の痛み
父は非難を引き受け損ねた

苦痛の一日、無理やり押し込まれた一日
ベルベットの手袋に隠された力
飛行機が空に誓いの言葉を描き
愛の行為の宙返りをまざまざと見せつける

南の海で探索が始まった
回復の赤い木の森を探している

トレーダーは猛り狂って逃亡
ディーラーは浮かれ騒ぎ、暴言を吐く
マーケットはうなり声を上げ弱者を食い物にし
繁華街に子供牧場を買う

わずかな特権階級、エリート集団は
切り払い火を放って逃げる

南の海で探索が始まった
回復の赤い木の森を探している