2012/01/26

寒い国から来た鏡獅子 (ザ・ライオンズ・ローア - ファースト・エイド・キット)

Untitled by Jen Yoshida
Untitled, a photo by Jen Yoshida on Flickr.

スウェーデンのおぼこ姉妹、ファースト・エイド・キット(First Aid Kit)の新しいアルバム「ザ・ライオンズ・ローア(The Lion's Roar)」が発売になりました。出足は好調で、iTunes のアルバムチャートを見ると、ノルウェーではいきなり1位、デンマーク、フィンランド、スウェーデンでもベスト10入りしています。日本でも、こないだのプロモーション来日の甲斐があって、雑誌などにも取り上げられ、徐々に注目されてきてるみたいです。2月8日にはめでたく国内盤も出ます。

この二人はねえ、やっぱライヴがいいのよ。向かって右がギターを持った妹のクララで、左がキーボードを前にした姉ちゃんのヨハンナ、あとは中央にサポートのドラムがいるだけのステージなんですが、ほかに何の仕掛けもない分、ただ「歌を歌うためにやって来ました」って感じがより間近に感じられて新鮮です。いや、YouTube とかでしかライヴ観たことないんですけど、そうなんです。

アルバムのタイトルになってる曲「The Lion's Roar」は2年くらい前から演奏されていて、ファンにはすっかりおなじみの曲なんですが、注目はヨハンナのキーボードです。一見テキトーに弾いてる風なんですけど、いやなかなか、少ない音数とやわらかい音色で、ここしかないでしょってとこを攻めてきます。

あと見どころはもちろん、二人並んで長い髪を振り乱してのヘッドバンギングです。

2月から4月にかけてのツアーは北欧から始まり、ヨーロッパ各地、イギリス、オーストラリア、北米など既に40ヶ所以上のライヴが予定されています。日本での予定は今のところありませんが、オラ、今年の紅白にこの曲、お勧めしたいんですけど。

白々とした朝が、誰もおぼえていないことを歌い、音を奏でる
説教とお祈り、教訓を与える立場の人々に
まんまと騙されたことに、目をつむりたい人たちのために
だけどそれは失敗に終わり
夜はおかしさのあまり噴き出してしまう

わたしが言ったとおりでしょう
あなたのまわりが変わってしまうかもしれないって
それでもまだ、何もかも命じようとする気?
どうあがいても、すべては刻々と変わっているのに

わたしは大ばか者だけど、あなたも同じよね
ライオンの吠える声
ライオンの吠える大きな声
あなたから逃れ、叫ばせる声
わたしは、どうすればいいのかわからなかった

そうね、あなたのことを
もう少し、理解できたらと思うこともある
本のあらすじみたいに
でも、わたしにできるのは
あなたのおどおどした笑顔から
あなたを取り巻いて吹く昔の風のように
次に起こることを予想するだけ

わたしは大ばか者だけど、あなたも同じよね
ライオンの吠える声
ライオンの吠える大きな声
あなたを求め、探させる声
わたしは、どうすればいいのかわからなかった

わたしだけのローズマリー・ヒルがいたらと、思うこともある
あの場所に腰かけ、素晴らしい湖を眺めて歌えたら
そしてときどき、あなたのために歌えたら
歌は山々を越え、海と星の彼方へ上り
もし望めば、あなたをわたしの元へ導いてくれるはず

ライオンの吠える声
ライオンの吠える大きな声
前にも聴いたことがある
子どもの夢想、ひとりぼっちで泣き叫ぶ、ライオンの声

注目の投稿

便所と夫婦と世界が抱える問題 (Double Trouble - Public Image Ltd)

いったい何をごちゃごちゃ言ってんだよ。何だって?トイレがまたぶっこわれた?ああ、前は俺が直したよ。また配管屋を頼めって言ったろ。何度でも頼めって...。 なんということでしょう。PiLのニューアルバムWhat the World Needs Now...はトラブルの歌で幕...